転移や再発の予防に関すること

カルテがんの恐ろしい点は、転移や再発が何度でも起こり得る病気であること。手術で原発の病巣をしっかり切除していても、またいつ腫瘍が現れるか不安を感じている患者さんが多いのは事実です。

がんの転移や再発について、患者さんや家族が疑問に思う点、不安に感じやすいポイントなどをQ&A形式で解説していきましょう。

Q1.切除手術を受けた後、転移や再発にはいつごろまで注意すべき?

Ans.術後2〜3年以内の再発が最も多い。念のため5年間は注意を

切除手術を受けてから2〜3年以内に再発や転移が見つかって治療を再開するケースが多く、さらに術後の5年間は腫瘍の再発や転移の可能性がまだ残っている期間とされています。がん治療歴のある患者さんの10〜20%程度は、術後5年以内に再発しているという統計もあるそうです。

がんの治療方法や治療の効果について比較する際に、患者さんの“5年生存率”というデータを用いて検討することがありますが、それは、術後5年間を無事に過ごせるかどうかが、がん治療の重要なポイントであることを意味しています。それまでは、再発や転移に注意が必要なのです。

術後5年たっても、再発や転移がない場合は、ひとまず腫瘍が完治したと考えます。

Q2.転移や再発を防ぐために、注意すべきこととは?

Ans.標準治療の他に、生活や食事の改善で免疫力を高めましょう

術後の再発や転移を予防する意味で、抗がん剤治療や放射線治療を行うことがあります。それらの標準治療の他に、日常生活の中でできる再発&転移予防策を行うことも大切です。

例えば、睡眠をよく取って適度な運動などを行い、生活習慣を改善すること。食事の内容に気をつけたり、よく噛んで食べる、腹八分目にする、野菜や豆類などを良く摂るなど、食事内容の改善なども効果的です。

重要なのは、自身が本来持っている免疫力を高めるよう努力すること。身体の免疫機能によって、異物であるがん細胞を積極的に排除できるようになれば、再発や転移の可能性も少なくなります。

Q3.原発がんは完治していても、転移や再発防止の治療は続けるべき?

Ans.原発がんの治療は終わっても、定期的な検査や生活改善は続けるべき

最初に発見された腫瘍や病巣をすべて取り除き、5年経過しても再発や転移が見られない場合は、がんは完治したものと考えられます。しかし、一度腫瘍ができた人には、腫瘍の原因となる遺伝的な要素や生活習慣、ストレス、食事の問題点などが指摘できる場合が多く、それらが改善されないうちは、また新たな腫瘍ができてもおかしくないと考えるのが妥当でしょう。

米国対がん協会が2012年に発表したガイドラインでは、がんと診断された患者と、その家族に向けて、以下の3点を推奨するよう呼びかけています。

  • 健康的な体重を目指すため高カロリーの食事を制限し、減量した後もその体重を維持すること
  • 運動不足を避け、診断後もなるべく日常生活に運動を取り入れること。1週間に150分以上の運動を目安にし、週に2回は筋力トレーニングを取り入れる
  • 野菜・果物や穀物を多く含んだ食事を心がける

定期的に健康診断を受け、食生活や生活習慣に気を配って過ごすことが、再びがんの恐怖にさらされない健康な身体を保つ基本です。[注1]

Q4.転移や再発を早く見つけるために、安心な検診の間隔は?

Ans.術後5年前後は、半年に一度の診察や検査を受けること

切除手術を受けた直後は、経過が良好な場合でも、1ヶ月ごと、3ヶ月ごとなど、頻繁に診察や検査を受けることが多いようです。しかし、術後1年も経過すると、不安な症状がなければ、病院へ足を運ぶことが少なくなってしまう方もいますね。

がんの手術後2〜3年は、最低でも3ヶ月に1度は診察や血液検査、画像検査などを受けることをお勧めします。胃や腸などの内視鏡検査は1年に1回程度のペースで受けましょう。

術後5年は再発・転移の可能性がありますから、半年に1度は診察や検査を受けた方が安心して生活できますね。

Q5.現代の医療に不信感があります。補完代替医療はどのように選ぶべき?

Ans.信頼できる医師を見つけ、相談することが最重要

がんが完治する保証のない不安から、がん患者が補完代替医療に関心を持ち、受診する動きが年々増加しています。

2005年発表の「日本におけるがんの医療現場における補完代替医療の利用実態調査」によると、約45%の癌患者が補完代替医療を利用しているという結果が得られました。しかし、自分に合わない補完代替医療を受け、不安を抱えたまま過ごす患者もいれば、信頼できる医師のもと自分に合った補完代替治療を受けて前向きにがんと付き合う患者もいます。

補完代替治療は、科学的根拠がない点や、効果に個人差が出る点から検証が難しく、医師からの十分な情報や問診・相談の機会を得にくいのが大きな問題点となっています。補完代替治療によって患者が不安を解消でき、がん治療の精神的負担が軽減する結果につながるのであれば、補完代替治療のすべてを否定するのは適切な判断とはいえません

見極めが難しいところですが、医師との信頼関係を築き、個人の体調や精神状態に合わせ、メンタルサポートにつながる補完代替治療を選択することが大切です。[注2]

Q6.完治・治癒・寛解…それぞれの意味の違いは?

がんは発生してから治療にいたるまで、完治・治癒・寛解という3つの状態に分けられます。それぞれの状態を理解し、がん治療に備えましょう。

完治

一般に病気が完全に治った状態のことです。がんの手術後5年の経過でがんが再発しなかった場合、治癒ではなく完治とみなされます。がんを切除して摘出したとしても臓器に微小ながん細胞・物質が残っていた場合、再発するリスクが考えられるので完治とは言いません。がんの性質と現代の医療の関係上、がんを完治させるケースはいまだ少ないのが現状です。

治癒

がん治療の手術後、患部や切断面にがん細胞が残っていないことを肉眼で確認できる状態を治癒といいます。内臓にあるがんをすべて切除した、という意味で「治癒切除」とも呼ばれ、治療が成功した状態を指した言葉です。

寛解(かんかい)

寛解(かんかい)のイメージ

多くの人が聞き慣れておらず、意味が推定できない難しい言葉ですが、「病気が寛(ゆる)くなり、解(と)けた状態になる」ことを表しています。抗がん剤による治療で癌の活動が沈静、または腫瘍が視認できないほど縮小した場合などを指し、がんが再発しない状態が続いていることを意味します。

画像引用元:国立国語研究所/「病院の言葉」を分かりやすくする提案
http://pj.ninjal.ac.jp/byoin/teian/ruikeibetu/teiango/teiango-ruikei-a/kankai.html

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