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がんの種類別 転移の症例

青い鳥日本人の2人に1人が罹患すると言われる“がん”。その罹患率の高さや治療の難しさもさることながら、最も問題となるのは転移や再発を繰り返してしまうことにあります。

いくら切除手術で病巣を取り除いても、全身に転移してしまっては完治が難しくなってしまいますね。現在のがん治療は、病巣を取り除くと同時に、転移や再発を防ぐことを考えた治療が主流となっているのです。

そこで、がんの種類別に転移の傾向や特徴、防ぐためにはどうしたらよいか、転移してしまったらどう治療すべきか、などをまとめてみました。

現在患者数が多いとされる、肺がんや胃がん、すい臓がん、大腸がんなどを例にとって、転移や再発を起こしてしまう原因や、転移しやすいルート、タイプやステージについて、解説してみたいと思います。さらに、それぞれのがんの種類別に具体的な症例をいくつか挙げ、治療法についても紹介します。

恐ろしい転移や再発を繰り返さないために、転移の傾向や特徴を知ることから始めましょう。

病名 特徴 転移しやすい臓器
肺がん 肺や肺の近くにある臓器(気管支など)にできる肺がんは、患者数も多いがんである一方で、検診などで発見される確率が高いがんでもあります。転移しやすいがんの一つで、脳転移や骨転移、肝臓転移などが多くなっています。早期肺がんでも転移することがあり、初期症状がほとんどないため、検診などをしっかりと受けることが予防のためには大切です。 脳、骨、肝臓、リンパ節
胃がん 早期発見できれば、切除手術による根治も期待できる胃がん。リンパ節や腹膜への転移、血行性転移などが起こりやすい一方、初期であれば転移が少ないと言われています。とはいえ安心は厳禁。スキルス胃がんの場合には、胃壁の内部にがん細胞が広がるタイプで発見されにくく、発見時には腹膜転移などが起こっているケースも少なくありません。 リンパ節、腹膜、肝臓、肺
肝臓がん 肝臓がんには、肝臓細胞にがん細胞が発生する「肝細胞がん」と、胆管の細胞が原発となる「胆細胞がん」があります。また、肝臓には全身からの血液が集まるため、肺がんや胃がんなど他臓器からがんが転移しやすいことも大きな特徴です。治療は外科手術による切除が一般的ですが、根治するケースもある一方、再発率も高くなっています。 門脈から全身へ、特に肺、骨、副腎、腎臓
すい臓がん 早期発見が難しいがんの一つ、すい臓がん、すい臓はお腹の奥の方にあるとても小さな臓器のため、自覚症状が少なく、各種血液検査などでも発見されにくいと言われています。ただ、血管やリンパ節が多くすい臓の周りにあることから、肝転移や胃転移、腹膜転移などを引き起こしやすいと言われています。発見時にはステージⅢ移行のがんが進行した状態ということも珍しくありません。 肝臓、胃、腹膜、骨、リンパ節
大腸がん 大腸がんは患者数が多い一方で、進行スピードが遅いため、手術治療による根治も望めるがんです。大腸がんと一口に言っても、がんができる場所によって症状が異なります。初期症状が出やすいのは肛門に近い部分。小腸近くにできる上行結腸がんは早期発見しにくいと言われています。肝臓や肺へ転移することが多く、腹膜転移などのケースもあります。 肝臓、肺、腹膜、リンパ節、脳
前立腺がん 男性の生殖器である前立腺にできるがんで、がん細胞の広がり具合により治療の方法が異なります。前立腺内にがん細胞が止まっている場合には、完治が期待できます。一方、前立腺の外までがんが浸潤してしまえば、放射線治療や外科治療でも完治が難しいと言われています。精囊、リンパ節、骨などへの転移が多いがんです。 精嚢、骨盤、リンパ節
乳がん 40代から50代の女性に多く発症する乳がんは、年間罹患者数約4万人。乳がん検診など病院での検査に加え、セルフチェックもできるがんです。進行はそれほど早いとは言えませんが、若い方の場合進行が早いことも。また、血液やリンパ液にがん細胞が乗って肺や骨、肝臓、リンパ節などに転移することがあります。 リンパ節、肺、骨、肝臓
子宮がん・卵巣がん 子宮体がんと子宮頸がんに分けられる子宮がんは、早期発見が難しいがんです。出産経験がない方、閉経後の方、ホルモン剤を服用している方などが発症しやすいと言われています。また、卵巣がんは、排卵時に卵巣の表層が傷つき、何らかの刺激をきっかけにがんが発生すると考えられています。全摘治療が最善ではありますが、年齢や症状に合わせて治療が検討されます。 骨盤、リンパ節、膀胱、直腸
骨肉腫 骨のがんと言える、骨肉腫は20歳未満の若い世代で発症するがんです。患者の7割が20代以下という統計もあり、女性よりも男性の方が発症しやすいと言われています。特徴としては、症状の進行が早いことが挙げられます。近年、医学技術の発展により抗がん剤でも治療が可能になりました。肺や骨、肝臓、リンパ節への転移に注意が必要です。 肺、骨、肝臓、リンパ節
メラノーマ メラノーマは、表皮(皮膚)に悪性腫瘍ができるタイプのがんの中でも最も悪性が強いとされる皮膚ガンです。皮膚がんは死亡率はそれほど高くなく、発見もしやすいのですが、メラノーマは転移しやすく、場合によっては命を落とす危険性もある病気です。皮膚の基底層にあるメラノサイトという部分ががん化し、骨・肺・リンパ節などに転移しやすいと言われています。 骨、リンパ節、肺
食道がん 食道がんは、初期段階では自覚症状がなく、早期発見は人間ドックやがん検診などが多くのきっかけとなっています。食道がんは男性の方が、患者数が多く、肺・心臓・リンパ節などに転移しやすいと言われています。最も転移しやすいのはリンパ節。転移がある場合には、外科治療でもがんが完治しないケースも多くあります。 リンパ節、肝臓や副腎、骨、脳
甲状腺がん 喉仏の下にある甲状腺という臓器にがんが発生する甲状腺がんは30~40代の女性に発症しやすいがんです。致死率は低く、転移もしにくいがんと言われています。甲状腺がんには、乳頭がん・濾胞がん・未分化がん・髄様がん・悪性リンパ腫があります。最も症例が多いのは乳頭がん。悪性リンパ腫も抗がん剤治療などの化学療法で完治させられます。 リンパ節、肺、骨
膀胱がん 70歳以上の高齢者に発生することが多い膀胱がん。転移しにくい一方で、転移がみられる場合にはがんが進行していることが多いがんです。初期症状はほとんどなく、尿検査で血液反応が見られることが発見のきっかけとなることも。膀胱がんは肺や肝臓、骨への転移がしやすいと言われています。転移先のうち、27%は骨転移です。 肺、肝臓、骨
腎臓がん 血尿などが原因で発見されることの多い腎臓がん。血液をろ過して尿から不純物を排出するために必要な臓器が腎臓です。腎臓がんは肺に転移しやすいがん。腎臓に集まった血液が心臓を通り、肺へと移動するため、肺への転移が多いです。また、骨転移が起こりやすいことも特徴の一つ。もしも脊椎に転移した場合には、体が麻痺することもあるため注意が必要です。 肺、骨
副腎がん 副腎皮質ホルモンを生成する副腎は、腫瘍が発生しても良性である場合がほとんど。稀に悪性腫瘍となった場合には、予後がとても悪いがんとして知られています。患者は男性よりも女性の方が多く、初期症状はほとんどありません。リンパ節や副腎周辺にある臓器に転移しやすいがんです。進行が早く、治療を開始したとしても、ステージⅠの5年後生存率は6割ほどです。 副腎周辺の臓器(腎臓・脾臓・肝臓)、リンパ節
胆道がん 胆道がんは、胆嚢と胆管にできるがんで胆石が刺激となり引き起こされた炎症ががんの原因となる可能性があると考えられています。胆管がふさがれて胆汁の流れが止まることから引き起こされる閉塞性黄疸がほとんどの方に現れます。皮膚が黄色くなる、尿が褐色になるなどの症状が出た場合にはがんが進行した段階のことがほとんどです。 リンパ節、肝転移
咽頭がん 喉の奥(咽頭)部分にできる咽頭がんの原因は、喫煙や飲酒、ウイルスなどがあります。女性よりも男性の方が患者数が多く、その差は約3倍。リンパ節や肺、肝臓、骨へと転移する可能性があります。進行が早く、特にリンパ節へ早期から転移するケースが多いようです。がんのできる場所によって「下咽頭がん」「中咽頭がん」「上咽頭がん」に分けられます。 リンパ節、肺
喉頭がん 喉頭がんは、喉のできるがんの中でも、声を発するために必要な部分に発症するがんです。大きな発症リスクは喫煙で、進行すると発声機能や嚥下機能、気道確保などの機能が損なわれてしまいます。喉頭がんは全がんの中でも0.6パーセントほどと発生率は低く、10万人あたり3.4人です。早期発見できれば完治も可能です。 リンパ節、喉頭に隣接する部位(食道・口内)
口腔がん 舌、顎の骨、歯肉などに発症する口腔ガンは、噛み合わせが悪いなどの違和感を感じて発見されるケースが多いがんです。口腔がんで最も多いのが、舌にできる舌がん。リンパ節へ非常に転移しやすく、リンパ節への転移がある場合には予後が悪くなってしまいます。患者の75パーセント以上が50歳以上と恒例です。 リンパ節
耳のがん 発症数が多くないものの、耳のがんは平衡感覚や歩行機能、視覚などが失われるリスクのあるがんです。耳の奥は、脳や神経とも近く、がんにより神経が圧迫されてしまうことが上記の症状の原因です。リンパ節に転移をする場合があり、耳の外耳・中耳にできたがんは外科手術で切除を試みるのが一般的。放射線や抗がん剤治療も効果が出やすいと言われています。 リンパ節
上顎洞がん 母の奥にある空洞、副鼻にできる上顎洞がんは、慢性的な蓄膿炎などが原因で引き起こされることの多いがんです。自覚症状がなく、がんが進行すると鼻づまりや鼻血、目やに、歯茎のはれ、頭痛、肩頬が痛いなどの症状が見られることがあります。診察は耳鼻咽喉科。手術や抗がん剤治療、放射線治療などが治療の選択肢として考えられます。 リンパ節
悪性リンパ腫 血液細胞の中でも、白血球の一種(リンパ球)ががん化する悪性リンパ腫は、リンパ節の多いところにしこりを感じるなどで発見されることが多いがんです。リンパ管を通じ、リンパ腫が全身に転移する可能性も高く、疫学的には新規罹患者数は2005年に約1万7,000人。近年増加傾向にあります。治療は外科手術ではなく、放射線治療や抗がん剤治療などの化学療法が一般的です。 リンパ管を通って他の臓器へ
白血病 白血病は、血液のがんとして「不治の病」というイメージが強い病気です。しかしながら、近年は治療法の研究が進み、完治や症状の寛解も可能ながんとなりつつあります。白血病で強いのが、骨髄転移です。骨髄に白血病細胞が浸潤すると臓器障害が起こり、全身症状に発展します。急性骨髄性白血病は症状が急に出る場合も多く、非常に進行が早い病気です。 脳、脊髄
精巣がん 精巣がんは、男性ホルモンの分泌と精子を作る精巣に腫瘍ができる病気です。症状としては、片方の精巣の腫れや硬さの変化。初期症状が出にくく、がんが進行してから発見されることも少なくありません。初期段階でも短期間でがんが転移するケースが多く、腹部リンパ節などに転移しやすいがんです。 リンパ節
多発性骨髄腫 血液細胞の中でも「形質細胞」と呼ばれる、ウイルスや細菌から体を守る抗体を作り出す細胞のがんです。骨髄で骨髄腫細胞が増えると、全身に様々な症状が引き起こされます。例えば貧血、息切れ、だるさ、感染症への感染、血小板減少などが多く見られる症状です。治療開始後、一時的に症状が良くなったと思っても、再発しやすいがんなので注意が必要です。 全身の骨
軟部肉腫 発生頻度が少ないものの、初期症状がなく、20〜30代の若い患者さんも多いことから発見が遅れることも多い軟部肉腫。神経近くに軟部肉腫ができると神経まひなどの症状が出ます。また、しこりなどが出るケースもありますので「変だな」と思ったらすぐに検査を。腫瘍が大きくなると肺転移などのリスクも大いにあります。
肛門がん 肛門の入り口から3cmほど上の部分にできる肛門がん。「腺がん」「扁平上皮がん」「粘液がん」「類基底細胞がん」「悪性黒色腫」「パジェット病」など肛門がんには様々なタイプがあります。慢性的な痔ががんを引き起こすこともありますので注意が必要。リンパ節転移をする場合もありますので、注意しましょう。 リンパ節
頭頚部がん 頭頸部がんとは、首から上にできるがんの総称です。「舌がん」「口腔がん」「咽頭がん」「鼻腔がん」「甲状腺がん」などできる部位によって名称が変わります。頭頸部がん全体でも、統計では、がんの5パーセントほどと発症率はそれほど高くありません。ただし、頸部リンパ節への転移をすると体全体にがんが広がるリスクが高まります。 リンパ節
外陰がん 外陰がんとは、女性の膣の外側にできるがんです。子宮ガン、膣がんなどから転移して発症することも多く、不正出血や外陰部の痛み・かゆみなどが初期症状として考えられます。診断は産婦人科や泌尿器科で。転移しやすいのは膣。尿道・肛門など。リンパ節転移も注意が必要です。転移しなければ生存率は高いがんですから、異変を感じたらすぐに診察してもらいましょう。 リンパ節
絨毛がん 絨毛がんは、妊娠時に発症しやすいがんです。女性特有のがんで、子宮や子宮の周辺に起こるがんの中では悪性度が高いがんです。絨毛は胎盤にある細胞で、子宮内膜、卵巣、卵管などに絨毛がんができると、不正出血やおりものの増加などが初期症状として見られます。進行も早く、転移しやすい一方で、妊娠に伴うつわりなどで初期症状が見逃されやすいので要注意です。 肺、脳
陰茎がん 男性特有の陰茎がんは、発症率が低いものの、早期発見が難しいがんです。子宮頸がんの原因となる漬パピローマウイルス感染が陰茎がんの原因になることが多いと言われています。リンパ節の中でも太もも付け根にあるリンパ節に転移しやすく、足のむくみなどがある場合には、転移が疑われます。 鼠径部周辺のリンパ節
腎盂尿管がん 腎盂尿管がんは、進行すると肝臓・肺などへと遠隔転移しやすいがんです。「腎盂」とは尿が腎臓で作られ集まる場所。また、尿管とは膀胱へと尿を送る道です。これらの場所にがんができると血尿や腰・背中・脇腹の痛みなどが症状として表れます。がん死亡者数の全体に占める尿路がんの死亡者割合は男性の3パーセントほどです。 リンパ節、肺、肝臓、副腎

ここまで、様々ながんの転移の傾向や特徴について説明しました。次のページでは「転移」について気になるポイントを更に深掘りして解説します。

転移を起こしやすいと言われているがんの転移先や、再発を起こしやすいがんについて特徴をまとめています。

転移を起こすと厄介な場所は?早期に治療できるよう意識しておかなければならない部位をまとめています。

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