脳腫瘍

年代や性別に関係なく生じる脳腫瘍。一般に、脳に生じるできものとして認識されていますが、実は発生の原因や経緯、種類によって細かく分類されています。脳腫瘍に関する知識を身につけて、転移や再発について理解を深めましょう。このページでは脳腫瘍の基礎知識から治療法までを解説しています。

脳腫瘍の基礎知識と特徴

脳腫瘍とは頭蓋骨内に生じる腫瘍を指します。発生の経緯によって2種類に分けられ、その性質が異なるので注意が必要です。

1つ目は「原発性脳腫瘍」と呼ばれる脳腫瘍です。これは頭蓋骨内部を最初として生じた脳腫瘍を指します。2つ目は「転移性脳腫瘍」と呼ばれる脳腫瘍です。体の他の部位から発生したがんが脳に転移してきたものを指します。

原発性脳腫瘍

頭蓋骨内から最初に生じた脳腫瘍である原発性脳腫瘍も、2つの種類に分類できます。

1つは脳そのものから発生する腫瘍で、脳実質腫瘍と呼ばれます。頭蓋骨内にある膜や脳神経などと区別するために、脳自体のことを脳実質と呼びます。

もう1つは、脳実質以外のところから発生する脳腫瘍で、脳実質外腫瘍と呼ばれます。脳実質外というのは、脳の膜や脳神経、脳下垂体などを意味します。

ここで気を付けておきたいのは、原発性脳腫瘍の場合、腫瘍自体が良性の可能性も、悪性の可能性もあることです。つまり、がんであるかどうかは腫瘍があるだけでは判断できません。より詳しい診断によって良性か悪性かを判断していきます。

良性の腫瘍の場合は細胞の増殖速度も遅いほか、脳実質外に生じることが多く、他の正常組織との判断も明確なので手術によって取り除かれることがほとんど。

逆に悪性腫瘍の場合は腫瘍の増殖速度が早く、他の正常組織との境界もあいまいなことが多いという特徴を持っています。また、悪性の腫瘍は脳実質に生じることが多いようです。

原発性脳腫瘍の発生確率は、1年間で10万人に10~12人と言われています。

転移性脳腫瘍

体の他の部位で発生したがんが血液に乗って転移し、脳内で発生した腫瘍を転移性脳腫瘍と呼びます

原発性脳腫瘍と違い、元からあるがん細胞から発生しているので悪性の腫瘍です。一般的に、転移したがんは発生した箇所のがんの特徴を持っています。そのため、薬剤の効き具合は転移元のがんの傾向を引き継いでいることが多いようです。

脳腫瘍の症状

基本的な脳腫瘍の症状として挙げられるのは、頭痛や吐き気、意識障害です。

これは脳腫瘍が発生したことで脳浮腫と呼ばれる脳のむくみが発生し、頭蓋骨内の圧力が高まるために起こります。これが頭蓋内圧亢進症状です。

頭痛や吐き気の症状は、朝起きた時に強くなる傾向があります。

頭蓋内圧亢進症状に加えて、いきなり歩けなくなったり感覚がなくなったり、しゃべれなくなったりする症状が現れることも。これは、脳が運動や言語などの機能を司る器官であるため、腫瘍によって脳の部位が侵されることによって、各部位が担当している機能にも障害を与えるために起こります。

脳腫瘍の主な治療法

脳腫瘍の場合、主な治療方法は外科手術です。頭蓋骨内に生じている腫瘍を切り取ることで治療します。

切り取る脳の部位によっては後遺症が残る可能性もあるため、慎重に手術範囲を決定。これまで通りの生活が行えるよう、脳の機能を温存しながら手術を行います。

例えば、脳の言語野付近に腫瘍がある場合は言語機能に障害が出ていることがあり、切除範囲によっては言語能力を失ってしまうことも。その場合の手術は、開頭した上で患者と対話をしながら手術を行います。

悪性腫瘍の場合は他の正常組織との境界があいまいなため、手術中にMRIを撮ったり、蛍光診断を行いながら進めます。また、手術と並行して放射線治療や化学療法を行うことも少なくはありません。

腫瘍を小さくしたうえで様子を見ながら手術のタイミングを決定します。

脳腫瘍の予防

がん予防にはバランスの良い食事、適当な運動、感染予防などが効果があると言われています。喫煙や過度な飲酒などもなるべく控えたほうが良いでしょう。

また、身体の異常をいち早く発見するためにも定期的な健診を受けましょう。再発や転移を疑う場合は、通常の定期健診ではなく、脳ドッグやMRIなどを組み合わせた適切な健診が必要です。専門医の指導のもと、適切な健診を受けましょう。

イメージ画像

おすすめのページ

RECOMMEND
再発・転移のサインって
あるの?
イメージ画像

転移は原発がんから離れた場所に起こることもあります。早期発見のカギは?

転移や再発を抑える
最新の代替治療って何?
イメージ画像

がん治療の効果を高め、転移や再発予防も期待される今注目の最新成分とは?

がんの不安をQ&Aで解消! イメージ画像

痛みを緩和するには?費用はいくら?保険は適用?などの疑問に答えます。

このサイトは個人がリサーチした情報をもとに制作しています。
詳細・最新情報につきましては、医療機関など公のサイトをご確認くださいますようお願いいたします。

運営者情報

【PR】©がんの転移が心配なときに読むサイト