多発性骨髄腫

多発性骨髄腫イメージ

多発性骨髄腫は骨の中に発生するがんの一つ。進行すると骨の痛みや骨折、貧血、腎臓機能の低下などの症状が出てくる病気です。ある程度進行しないと症状が出てこない病気であるため、早期発見が難しいと言われています。

その基礎知識や転移の特徴、代表的な症状など、わかりやすく解説しています。

多発性骨髄腫の基本知識と転移の特徴

多発性骨髄腫は、骨の中に発生する血液系のがんの一種です。骨髄中の形質細胞という細胞ががん化することで、正常な血液を作ることができなくなったり、骨の中に腫瘍ができて全身に様々な症状が出たりします。

骨が痛んだり、骨が折れてしまったりするのが特徴的な症状です。骨に異常が出る病気なので、整形外科で発見されることが多いのも特徴のひとつ。レントゲン撮影の結果が骨粗鬆症とよく似ていることから、最初は慢性的な腰痛と診断されてしまうことも多いと言われています。

また、初期段階では症状がほとんど現れないことも多いため、早期での発見が難しいと言われています。一般的に病気の進行は緩やかで、全身の骨の中に病変を作ります。症状が自覚できるようになるのは多発性骨髄腫がある程度進行してしまった状態なので、治療が難しいと言われています。

多発性骨髄腫から転移しやすい臓器とその症状

多発性骨髄腫は多発性と呼ばれる通り、全身の骨に病変を作ります。あちこちで同時に見つかることも多いのですが、特に体の中心部に近い部位、背骨や肋骨、骨盤、上腕の骨に起きやすいそうです。

骨転移[注1]

多発性骨髄腫はもともと骨の中に発生するがんです。がんの病巣が他の組織から骨に移ってしまう「骨転移」とは厳密には違うのですが、病変の管理は同じなので、ここでは骨変異と同じように扱います。

がんが骨がに転移してしまうと、骨が折れたり麻痺が出てしまったりすることで、療養生活はより一層苦しいものになってしまいます。

骨転移の主な治療法[注1]

多発性骨髄腫の初期治療では、骨髄腫の細胞を減らすためにボルテゾミブや抗がん剤が使われます。条件が適応していれば、その後に自家造血幹細胞移植とともに大量メルファラン療法を行うことが推奨されています。

自家造血幹細胞移植が適応しない場合は、MPB療法と呼ばれる、メルファラン、プレドニゾロン、ボルテゾミブを用いた治療、またはメルファラン、プレドニゾロン、サリドマイドを用いたMPT療法と呼ばれる治療が行われます。

さらに再発した場合などには、ボルテゾミブ、サリドマイド、レナリドミドなどの薬を使います。

また、化学療法のほかにも骨に対する治療や痛みを緩和させる治療もあります。放射線治療や、骨吸収抑制剤の投与も有効であり、脊髄圧迫や姿勢を治療するための手術が実施されることもあります。

ビスホスホネート製剤(薬物療法)

骨を溶かす細胞の働きを抑制する作用を持つ薬剤で、効果的に痛みを抑えてくれます。

使用中に虫歯や歯槽膿漏があると、まれに歯肉や下顎骨に壊死が生じる可能性があるので、この薬を使用する場合は事前に歯科で歯の状態のチェックを受けてください。

ボルテゾミブ(薬物療法)

プロテアソームという不要なタンパク質を分解する酵素の働きを妨げることで、骨髄腫細胞の増殖が抑えられる分子標的薬のことです。

再発や難治性の多発性骨髄腫だけでなく、はじめて治療を受ける多発性骨髄腫の患者さんにも保険が適用されます。皮下注射または静脈内注射として骨髄腫のある部位に投与される薬剤です。

レナリドミド(薬物療法)

免疫の働きを整える免疫調節薬という薬剤です。

デキサメタゾンと併用しながら、1日1回21日間連続で服用した後、7日間休薬。この28日間を1サイクルとして繰り返し、骨髄腫細胞を抑制します。

サリドマイド(薬物療法)

レナリドミドと同じく骨髄腫細胞の増殖を抑制する免疫調節薬です。

1950年代に催眠鎮静薬として販売したところ、妊娠中の女性が服用して胎児に重度の先天異常が起きたため、世界中で販売が中止されました。しかしその後、多発性骨髄腫に対する治療薬として有効であることが米国より報告され、日本では2008年に多発性骨髄腫の治療薬として再承認された経緯があります。

胎児への薬剤の影響を防ぐため、医療機関に「サリドマイド製剤安全管理手順(TERMS(R))」という安全管理システムの遵守が義務付けられました。妊婦や妊娠している可能性のある女性には使われず、男性患者へ投与する際にも使用中は避妊が徹底されます。

疼痛の緩和のために行われる放射線治療

骨病変の疼痛は、少量の局所放射線照射で十分な効果が得られる場合がほとんどです。

できものの消失や縮小のために行われる放射線治療

疼痛緩和よりも多い量の放射線が用いられます。知覚障害や運動麻痺などがある場合には、MRIによる診断と放射線照射・ステロイドによる治療をできるだけ早いうちに開始することが必要です。

支持療法

がんや合併症、治療に伴う副作用を予防・軽減する治療のことでです。血液のがんの治療を進める上で極めて重要な治療法とされています。具体的には、感染を起こしやすい口の中や気道、肛門周囲などの治療や白血球が減少したときの感染症を防ぐ抗生物質・抗真菌(カビ)薬・抗ウイルス薬の投与、輸血、吐き気止めの使用、骨痛や神経痛に対する薬物療法などです。多発性骨髄腫の骨転移の治療は長期に及ぶ場合が多いため、精神的な支援も含めて幅広い種類の支持療法が行われます。

がんの再発や転移とたたかうには

がんに立ち向かう上で、もっとも注意したい「再発や転移」。たとえ、医師による適切な処置を受けていたとしても再発・転移の可能性はある、ということをわきまえておかなければなりません。

そのため、医療機関のみに頼るのではなく、私たちができる代替医療も率先しておこない「がんの予防線」を何重にも張り巡らせることが、がんとたたかっていく上で極めて重要となってきます。

漢方や鍼灸、アロマ・マッサージ、健康食品、サプリなど、さまざまな代替医療が存在する中で、「グルタチオンS-トランスフェラーゼ」をいかに活発化させるかが、がん再発・転移予防のキーポイントとされています。

グルタチオンS-トランスフェラーゼとは、体内で働く解毒酵素のひとつ。この酵素を活性化させる野菜として、わさびが注目を浴びています。

わさびに含まれる成分「ワサビスルフィニル(6-メチルスルフィニルヘキシルイソチイオシアネート)」は、このグルタチオンS-トランスフェラーゼを活性化させるとして、論文でも発表されました。

このほかにも、ワサビスルフィニルには、活性酸素を抑える、ピロリ菌などの細菌の増殖を抑制、血流の促進や血栓予防、免疫力向上、といったさまざな効果も。

また、がん細胞の増殖を抑制し、転移を防ぐといった効果も確認されているため、がんの再発・転移とたたかう方はもちろん、すでに転移してしまったという方にも、ぜひ摂取して欲しい成分です。

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