検診で前立腺に異常が見つかった。前立腺の生検をした結果、がんと告げられた。そのときには、人生が終わってしまうのか、という感覚に襲われたが、時間が経つにつれ、がんに対する不安よりも「絶対に治療、手術をして治してやろう!」という強い気持ちが湧き上がってきた。外科手術をするのか、保存的な治療でいくのか、妻と一緒になって最新の医療情報をあらゆるところから集めて検討。いままでの症例や治療をする病院選びまで、共に闘ってくれた妻にはいくら感謝してもしきれない。
数年前、職場の健康診断で血液検査をしたところ、PSA数値が少し高めに出ました。「たいしたことないだろう」と高をくくっていましたが、検査を担当した先生は「安心のため」と強く検査をすすめてくれました。2ヶ月後、精密検査の結果は前立腺がんでした。年齢が若いこともあり、治療は前立腺の全摘出をすすめられました。手術の結果、外層にまでがんがありましたが、尿道への転移はなし。3年経過した現在も再発はみられません。健康診断を担当した医師が精密検査を強くすすめてくれなかったら、いまごろは大変なことになっていたでしょう。PSA検査の大切さを知りました。
検診から精密検査へ、そして、結果は前立腺がん。がんと告げられた瞬間は、「まさか、どうして?」という感じでした。なにか、現実感が欠如したような感じで、まるでドラマか何かの延長を第三者のように見ているような感じがしたものです。その後、治療に入りましたが、そこで自分で思ったことは、「できることはすべてやりつくして、運命の赴くままに」ということ。それがダメなら、すべてを受け入れようと覚悟していました。
前立腺がんが見つかったのは、仕事も引退して、年金生活に入ったばかりのことでした。子どもたちも独立して、妻と2人きりの生活、現役時代は国内外を仕事で飛び回っていて、やっと2人で穏やかな老後を送れると思っていたので、かなりのショックを受けました。ステージⅢ、このまま私がいなくなったら、妻はどうするのだろうと考えてしまいました。しかし、妻は陽気に接してくれて、「2人でがんに向かい合おう」といってくれました。この言葉にとても安心感を得たのを今でも覚えています。
前立腺がんと告知を受けたときは、正直かなり落ち込んでしまいました。しかし、主治医と治療方法などで話し合っていくと、気力を持ち直すことが出来ました。同じ病気で社会復帰している人も大勢いると聞いたことが励みとなっています。
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