がん細胞の増殖抑制や転移・再発防止には、標準治療以外にも様々な対策があります。
標準治療の基本方針は、腫瘍のある部分を外科的に取り除いたり、患部を縮小させることがメイン。西洋医学に基づく治療は、病気になっている部分に限定された局所治療がすべてです。
しかし、鍼灸や漢方などの東洋医学的な施術、ホメオパシーやアロマテラピーなどは、体と精神の調子を整えることで総合的に治療する、全身治療であると言われます。これは、体全体の免疫力や自然治癒力をアップさせて、病気を抑え込もうという治療法。西洋医学的な局所治療では難しいケースでも、全身治療なら改善効果が見られる場合もあります。取り入れてみる価値は十分にあるのではないでしょうか。
そこで、漢方や鍼などの『東洋医学』、オゾン療法や点滴療法などの『薬理学的療法』、カイロプラクティックやホメオパシーなど『そのほかの療法』について、治療法の特徴やがん抑制の効果について解説します。
免疫力や抗酸化力など、自分自身が本来持つ力を信じて、がんを追い出す方法について考えてみましょう。
東洋医学は、体の血液を温めて免疫力を改善し、内側から症状を緩和する治療法です。がんの治療として東洋医学が用いる方法は漢方や鍼灸療法が一般的。漢方は複数の生薬を組み合わせた漢方薬を投与する療法です。一方、鍼灸治療法は、体のツボに金属製の細い針を刺して弱い電流を流します。がんの予防・治療に関する決定的な報告はないものの、漢方薬は抗がん剤と併せて取り入れることで身体的負担を軽減する効果や、がん細胞の活動を穏やかにする動きが見られたという事例も。一方、鍼治療は悪心・嘔吐などといった副作用の症状を緩和する手段として有効であり、緩和医療の観点で注目されています。
キレーション療法は1940年代から導入された療法です。血液中にある有害な金属成分を合成アミノ酸で囲い込んで排出することで血管や全身の細胞を活性化させる治療法となっています。血液をサラサラで健康な状態にするため、動脈硬化や高血圧などの病気を予防する効果にも期待が。キレーション療法の1つであるオゾン療法は、採取した血液にオゾンガスを混ぜて戻すことで、血液内に存在するウイルスの活動を抑制する治療法です。免疫力を高めてがん細胞の活動を穏やかにする効果が期待でき、がん治療の現場でも取り入れられています。
アロマセラピーとは、精油を使って香りを楽しんだり、リラクゼーション効果を得たりすることで病気の症状緩和を目指す療法です。方法として芳香浴や吸入、内服、全身浴、部分浴、マッサージなどがあり、最も効果の見込めるものはマッサージといわれています。疼み・痛みなど症状緩和の効果があるほか、抗うつ作用や不安感を和らげる作用も期待できる治療法です。しかし、がん患部のマッサージは副作用を引き起こす危険性があるので、一般的に避けた方がよいとされています。
ホメオパシーは200年の歴史と多くの臨床事例を持つ医療です。患者の症状や心理状態に着目して患者の全体像をとらえ、適切な薬を投与します。がん治療で懸念される副作用、精神症状の改善が報告された事例はわずか数件ほどで、決定的な治療手段ではないのが現状です。
カイロプラクティックはハンドマッサージによる療法で、神経や骨格、筋肉のゆがみやトラブルを分析して体の内側から症状を改善します。がんの治療に関しては術後治療に取り入れられ、自律神経の調子を整える手段として有効です。
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