悪性リンパ腫とは、私たちの体をウイルスや細菌から守る免疫細胞・白血球の1種「リンパ球」のがんです。リンパ球は、骨髄や心臓、胸腺などの造血管細胞(血液細胞を作る細胞)で赤血球や血小板と共に作られたのち血液と一緒に移動。リンパ節や脾臓に辿りつき、免疫反応をもつ細胞へと変化します。そのため、悪性リンパ腫とは首・脇・足の付け根などのリンパ節に発生します。リンパ球はリンパ管を通じて全身を巡るため、悪性リンパ腫が発症した場合さまざまな臓器に転移してしまう可能性があります。全身に広がりやすく転移スピードが早いため、早期発見が大切です。このページでは、悪性リンパ腫の症状や転移した場合の治療法などを紹介します。
悪性リンパ腫は血液細胞のがんのひとつです。血液細胞の中でも、外敵から体を守る役割をもつリンパ球(T細胞とB細胞)ががん化したもの。リンパ球は主にリンパ節(リンパ球の免疫反応をコントロールする器官)に存在するため、悪性リンパ腫はリンパ節で見つかるケースがほとんどです。
悪性リンパ腫は、がん化した細胞の種類やリンパ節の位置、がんのステージによって、治療後の再発率や転移しやすい部位が異なります。今回ご紹介したのは、悪性リンパ腫の中でも「非ホジキンリンパ腫」が転移する可能性がある部位です。
悪性リンパ腫はリンパ球のがんです。そのため、リンパ節でがん化したリンパ球は、リンパ管を通って別のリンパ節に転移するケースがほとんど。リンパ節は体内に600か所以上もあり、リンパ球は毎日私たちの体内を移動しているため、治療が成功しても再発・転移する可能性は十分にあります。
悪性リンパ腫の再発・転移を予防するために、術後の経過観察をしっかりと行うのはもちろん、代替医療を取り入れて常日頃からがん細胞の増殖を抑える生活を心がけることが大切です。再発・転移の防止策をまとめているので、参考にしてみてください。
>>がんの転移・再発を防ぐにはどのような治療を行うべき?転移・再発防止策を見る
リンパ節は全身で約600か所もあるため、すべてのリンパ節を調べるのは困難です。以下でリンパ節が集まっている場所を簡単に紹介しています。リンパ節に異常がないかチェックする際にお役立てください。
悪性リンパ腫は腫れやしこりなどの症状がありますが、痛みを感じないケースが多いため、がんが発生しても気付きにくいのが特徴。悪性リンパ腫の治療法は腫瘍を形成するがんとは違って切除といった外科的手術ではなく、化学療法や放射線治療をおこないます。
悪性リンパ腫はがん細胞の性質によって70種以上に分類され、それぞれ治療方針が異なります。大きく「ホジキンリンパ腫」と「非ホジキンリンパ腫」の2種類に分けられ、そのうち日本人が発症する悪性リンパ腫の約9割が非ホジキンリンパ腫です。
非ホジキンリンパ腫はリンパ節で発症し、血管やリンパ管を経由して脳・肺・肝臓などのさまざまな臓器に転移する可能性が高い腫瘍です。対するホジキンリンパホジキンリンパ腫は頭部や鎖骨上窩(さこつじょうか)に多く見られます。どちらも進行度や転移箇所によってステージ分けされています。
悪性リンパ腫はステージI~IVに分類されます。ステージIは、がんが1か所のリンパ節に留まっている状態。ステージIIは2か所以上のリンパ節にがんが転移している状態です。
ステージIIIとなると、上半身・下半身のどちらのリンパ節にもがんが転移してしまっている状態になります。ステージIVまで進行すると、リンパ節以外の臓器や骨髄にまで広がり、痛みや発熱に伴いイライラしやすくなったり、身体のだるさを感じやすくなることも。
ステージIV以降は末期症状となり、嘔吐や食欲不振、黄疸が現れ、感染症を合併することもあります。
悪性リンパ腫は、がん細胞がリンパ管を通ってほかの臓器へと転移していきます。
日本人に多い非ホジキンリンパ腫の場合、がんが2か所以上のリンパ節へ転移しているステージIIの5年生存率は74.3%ですが、ステージIVまで進行すると54.6%にまで低下します(※2015年11月に集計された全国がん(成人病)センター協議会の生存率共同調査の情報)。
一命をとりとめても顔や首周りのから全身へのリンパ節へ転移して、白血病や糖尿病といった合併症を引き起こす可能性が高まります。悪性リンパ腫は早期発見ができれば治せる可能性が高く、全身へとがん細胞が転移する前に進行を防ぐことができます。異変を感じたら早めに検査を受けましょう。
悪性リンパ腫は腫瘍を切除するのが難しいため、進行具合に関係なく外科的手術はほとんどおこなわれません。
治療法は放射線療法・薬物による化学療法・造血幹細胞移植が一般的。悪性リンパ腫には放射線や抗がん剤が効果的なため、2つの治療を組み合わせることで病状を早く治められます。
治療前に再発の可能性が高いと判断された場合には「造血幹細胞移植」がおこなわれます。造血幹細胞とは赤血球や白血球などの「血液」を作る細胞のこと。増殖力が強く、1つでもあれば新しい血液を生成することができます。ドナー提供された造血幹細胞を悪性リンパ腫患者の血管に移植することで、正常な血液の生産を促す治療です。
治療法はいろいろありますが、悪性リンパ腫は再発率が高いと言われているがん。再発した患者の8~9割は2年以内に再発しているようです。
がんに立ち向かう上で、もっとも注意したい「再発や転移」。たとえ、医師による適切な処置を受けていたとしても再発・転移の可能性はある、ということをわきまえておかなければなりません。
そのため、医療機関のみに頼るのではなく、私たちができる代替医療も率先しておこない「がんの予防線」を何重にも張り巡らせることが、がんとたたかっていく上で極めて重要となってきます。
漢方や鍼灸、アロマ・マッサージ、健康食品、サプリなど、さまざまな代替医療が存在する中で、「グルタチオンS-トランスフェラーゼ」をいかに活発化させるかが、がん再発・転移予防のキーポイントとされています。
グルタチオンS-トランスフェラーゼとは、体内で働く解毒酵素のひとつ。この酵素を活性化させる野菜として、わさびが注目を浴びています。
わさびに含まれる成分「ワサビスルフィニル(6-メチルスルフィニルヘキシルイソチイオシアネート)」は、このグルタチオンS-トランスフェラーゼを活性化させるとして、論文でも発表されました。
このほかにも、ワサビスルフィニルには、活性酸素を抑える、ピロリ菌などの細菌の増殖を抑制、血流の促進や血栓予防、免疫力向上、といったさまざな効果も。
また、がん細胞の増殖を抑制し、転移を防ぐといった効果も確認されているため、がんの再発・転移とたたかう方はもちろん、すでに転移してしまったという方にも、ぜひ摂取して欲しい成分なのです。
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