膀胱がん

膀胱がんは転移しにくいがんです。逆に転移した場合には、すでに末期ということにもなります。
がんは転移する前の早い段階で発見されることが多いので、この時に治療しておくことが重要です。
膀胱がんの基礎知識、および転移について解説しています。

膀胱がんから転移しやすい代表的な部位

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転移しやすい場所[注1] 再発率[注1] 症状
肝臓 38% みぞおちに固いしこり、食欲不振、貧血、黄疸、吐下血
36% 咳、血痰、発熱、呼吸困難、胸痛、呼吸器症状、肥満、ムーンフェイス、食欲不振
27% 骨に鈍い痛み、患部の腫れ、病的骨折

膀胱がんの転移・再発の特徴

膀胱がんは転移しにくいがんですが、進行するとリンパに乗って全身へと転移する可能性があります。特に転移しやすいのが肝臓。肝臓は全身の血液をろ過し、健康な血液に変えていく働きを持っているため、血液が集まりやすく、がん細胞が行きつきや水のです。そのため、がんの多くは転移性肝臓がんになりやすいと言われています。[注2]

>>がんの転移・再発を防ぐにはどのような治療を行うべき?転移・再発防止策を見る

膀胱がんの基礎知識と転移の特徴

膀胱がんとは、膀胱に発生する上皮性悪性腫瘍のこと。患者は女性よりも男性のほうが多いことで知られ、多くの場合、70歳を過ぎてから発症するのが特徴です。

膀胱がんになる原因は不明ですが、因果関係がほぼ確定している要因として、喫煙が挙げられています。1日20本前後の煙草を吸う人は、吸わない人に比べて約4倍の発症率が確認され、学会でも定説とされています。
また、職業上、特定の化学物質に触れる習慣がある場合は、膀胱がんとの因果関係を持つことでも知られています。

膀胱がんは、初期症状がほとんどありません。稀なケースとしては、尿検査で潜血が指摘され、再検査で膀胱がんが発見されることがあります。
その後、症状が少し進むと明らかな血尿が確認されます。痛みはありませんが、尿が赤く染まるので多くの患者はこの時点で病院に行き、がんが発覚します。がんがそこまで進行していないので、症状が最終ステージまで進行することは少ないです。
しかし、症状がさらに進行してしまった場合は、膀胱炎の痛みに似た感覚が排尿時に起こったり、背中に痛みを感じることがあります。

膀胱は「筋膜」という分厚い組織に囲まれており、この筋膜を破ってがんが外に出るには時間が掛かります。そのため、膀胱がんの進行が遅く、なかなか外部に転移しにくいがんなのです。
しかし、それでも転移してしまった場合は、すでに膀胱がんは最終ステージにある可能性があります。この段階では、一般に手術が行えないため、抗がん剤治療や放射線療法、または薬などを使用しての緩和療法での対応をメインに行っていきます。[注3]

膀胱がんが転移しやすい臓器とその症状

膀胱がんは主に3つの臓器に転移します。

肺転移

膀胱がんが最終ステージに達している場合、喫煙習慣が要因で肺への転移が見られる場合があります。しかし、この段階まで膀胱がんを引っ張るケースは稀です。
肺転移した場合は、放射線療法や抗がん剤治療をするだけではなく、体内環境を根本から整える必要があります。また、治療中と治療後の生活を維持することも重要になってきます。

肝臓転移

膀胱がんの転移例として、もっとも多いのが肝臓転移。転移事例の約38%を占めています。転移が認められた場合は、主として放射線や抗がん剤による治療が試みられます。

骨転移

膀胱がんの転移先のうち、約27%が骨になります。骨に転移した段階で、すでに末期ということになりますが、それが必ずしもすぐに死亡に繋がるものではありません。対応としては、痛みの緩和ケアと点滴による栄養補給が中心となります。[注3]

がんの再発や転移とたたかうには

再発や転移を防ぐには、医療機関で適切な治療や指導を受けることはもちろん大切ですが、食事や普段の生活習慣を改めることも重要です。特に食事はがんの転移予防に重要な要素。人の体は食べ物から作られます。摂取する食べ物によってその人の体が決まると言っても過言ではないでしょう。栄養が偏った体よりもきちんと栄養バランスが整った体のほうが、がんへの対抗力も付くもの。がん細胞を予防するためにも、今一度食生活の見直しをおすすめします。

食生活を見直す時に一緒に取り入れたいのが、がんへ対抗する有効成分です。がんを体から追い出そうと働くものや、がん細胞が拡がらないようにしてくれるものなど、様々な成分があります。現在注目されている成分は「ワサビスルフィニル(6-MSITC)」。体の中の毒素を排出しやすくしてくれる酵素の1つである「グルタチオンS-トランスフェラーゼ」を活性化させる働きを持つと論文で発表されています。ワサビスルフィニルはその名の通りわさびに含まれている成分で、ピロリ菌や病気の原因となる細菌の働きを抑制や、免疫力向上や血管を詰まらせる血栓予防としても働いてくれる注目成分です。

また、抗がん剤よりもがん細胞の増殖を抑える抗がん効果に優れ、発がん物質の無毒化・自滅(アポトーシス)誘導作用があるというデータも。こうした食品が持つがんへの効果から、食生活の改善という観点に結びつけ、標準的医療だけでなく患者自らが率先してがんと向き合う対策が見直されてきているのです。[注4]

  • [注4]『ワサビのすべて 日本古来の香辛料を科学する』木苗直秀・小島操・古郡三千代(2006年 学会出版センター)

膀胱がんの「転移・再発」関連ニュース記事

膀胱がんから他臓器への転移についての研究が進み、メカニズムが解明されてきています。最近の膀胱がんの転移に関連するニュースを紹介します。

直後の単回ゲムシタビン膀胱内注入療法で再発リスクが低減

TURBTの施術を受けたあとに再発率が高いことの対策として、ゲムシタビン膀胱内注入療法が有効的とアメリカ・ロチェスター大学で研究結果が発表されました。ゲムシタビンとは抗がん剤の一つ[注5]で、 がん細胞に取り込まれて、DNAの合成を阻害してがんの細胞の増殖を防いでくれます。(ケアネットドットコム/2018年5月23日)[注6]

男性ホルモンを抑えることで膀胱がんの再発を70%抑制

男性ホルモンを抑えることで、膀胱がんの再発を防げると横浜市立大学の医学部の研究グループにて発表され、2014年に日本泌尿科学会総会賞を受賞しました。239人もの膀胱がんを発症している人をホルモン療法を受ける人と受けない人に分けて調査を行った結果、ホルモン療法を受けていない人の再発率50%に対し、ホルモン療法を受けた人の再発率は22%と差が付く結果に。現在この研究の追加調査として、アメリカでも調査が進んでいます。(日刊ゲンダイヘルスケア/2017年8月7日)[注7]

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