補完代替医療でできること

窓辺東洋医学に基づいた漢方や鍼灸、気功などによるがん治療、健康食品やサプリメントで体質改善を図り、治療効果を高める方法に関心が向けられています。また、がんの転移を抑制する漢方や健康成分などは、TVに取り上げられ、さらに注目を集めています。

ここでは、補完代替医療でアプローチする再発&転移予防法についてまとめました。

補完代替医療とは

漢がん治療の手術や薬物療法などの医療を補ったり、現代医療を何らかの理由で受けられない時に代わりに行ったりする治療のことを「補完代替医療」と言います。がんは治療そのものが難しい病気。そのため、がんの手術や薬物治療の他に、「民間治療」「代替療法」と呼ばれる補完代替医療に関心を持つ患者さんが多くいます。補完代替医療の定義は広く、様々な医学体系があります。サメの軟骨やビタミン剤などの内服薬、健康食品、気功・霊気も補完代替医療のひとつです。補完代替医療の分類と内容については、下の表をご覧ください。

分類と名称 内容
代替医学系 Alternative medical systems 伝統医学系統、民族療法 (東洋伝統医学、アーユルベーダ、ユナニ、シャーマニズム、等)
心身医学療法 Mind-body interventions 瞑想、催眠、舞踏、音楽、芸術療法 祈り、バイオフィードバック、等
生物学に基づく療法(代替バイオ療法) Biologically based therapies ハーブ、特殊食品、生理活性分子(マグネシウム、メラトニン、ビタミン等)、 サメ軟骨等を利用した治療
指圧など外部からの力で治療する方法 Manipulative and body-based methods マッサージ、整体、整骨療法、等
エネルギー療法 Energy therapies 気功、霊気、タッチング療法、電磁療法

補完代替医療は大勢の人に利用されています。2001~2002年に実施した全国アンケートの結果、ホスピス・緩和ケア病棟利用者の60%、がん患者の45%が健康食品利用者でした。しかし、補完代替医療の効果に関しては現代医学上の根拠はほとんどありません。さらに、補完代替医療には、利用者にとって利益もありますが、リスクをもたらすものもあります。[注1]補完代替医療は、自分に必要なのか・適切なのかを考え、きちんと調べたうえで利用することが大切です。がんと立ち向かうために、適切な判断が必要になります。

  • [注1]特定非営利活動法人 日本緩和医療学会:がん補完代替医療ガイドライン[pdf]

漢方でがん体質を改善しながら転移予防

漢方は、病を総体的にとらえ体質改善を行うことで治療をはかるものです。

漢方によるがんの転移予防は、漢方薬の服用により、循環や代謝を整えて自然治癒力を高め、免疫力をアップさせることが基本。具体的には、栄養の消化吸収を助け、血液循環や新陳代謝を改善するような生薬を処方します。

しかし、現在では新たな漢方薬のがん再発・転移防止療法の開発もさかん。抗がん剤と漢方薬を併用することで、抗がん剤に耐性がついた細胞の増殖を抑制できると期待されています。

抗がん剤の副作用を抑えるために漢方薬を服用する、支持療法にも注目です。漢方薬は、別の効果を持つ生薬を体調に合わせていくつかブレンドすることで、その人だけに効く薬をカスタマイズできる点がメリットといえるでしょう。

漢方によるがんの転移予防は、循環や代謝を整えて自然治癒力を高め、免疫力をアップさせる漢方薬を服用することが基本。具体的には、栄養の消化吸収を助け、血液循環や新陳代謝を改善するような生薬を処方するそう。体のあちこちに存在するであろうがん細胞の増殖を、自身が持つ免疫力や自然治癒力で抑え込もうというわけです。

鍼灸で生体機能や免疫機能を高める

東洋医学では、冷え性であったり、気や血の巡りが悪い体質、気うつなどを“がん体質”であるととらえ、それらの悪い体質を漢方薬や鍼灸によって改善し、がん細胞が活動しにくい体にしていくことが転移や再発を予防すると考えます。

鍼灸治療は、鍼やお灸の熱や圧によって体に適度な刺激を与え、体の歪みを直して自然治癒力を高めるもの。血行促進や免疫機能の活性化効果があるので、感染症やがん細胞に対する抵抗力がアップすると言われています。

いわゆる“ツボ”と呼ばれる部分を刺激するわけですが、このツボは経洛という線で全身を結んでいて、灸や鍼を打つことで離れた部分にも反応を起こし病気を改善することが可能であると考えられています。

ただし、鍼灸治療は安全性が高いものではありますが、まれに脳貧血や内出血を起こす場合があります。血液の病気など出血しやすい病状の場合は事前に医師に相談し、信頼できる鍼灸師から施術を受けるようにしましょう。

健康食品やサプリメントで転移予防

例えば、アガリクスやフコイダン、プロポリスなど、がん予防に効くとされる成分はいくつかあります。それらの成分の多くは抗酸化作用の強いとされるもので、活性酸素やフリーラジカルの有害性を緩和し、がん細胞の発生や増殖を抑制してくれると言われています。

ただ、通常の食事から摂取することが難しいため、主に健康食品やサプリメントで摂るのが一般的。健康食品やサプリなら、簡単に毎日継続して摂取することができて便利です。ただし、サプリメントは安易に選ばないように注意してください。治療中の場合には、主治医に相談が必要です。また、サプリメントは適切に摂取してこそ効果がでるもの。過剰摂取や、飲み合わせの悪い薬と一緒に服用すると、かえって問題を引き起こすことがあります。

がん予防が期待できる注目の成分「6-MSITC」

「6-MSITC」とは、本わさびの根茎部に含まれる成分で、「ワサビスルフィニル」という名称でも知られています。「6-MSITC」はNHKテレビ番組「あさイチ」でも、がん予防ができる成分としてとりあげられる等、昨今注目を集めている成分なのです。[注2]

「6-MSITC」は、がん予防だけではなく、血流促進や免疫力の向上、ピロリ菌などの細菌の増殖抑制も期待できます。「6-MSITC」最大の特徴は、わさびをすりおろすことで、健康効果を発揮すること。ただし、「6-MSITC」はわさびの部位や品種によって含有量が異なっていることに注意が必要です。[注3]本わさびの根茎部分に多く含まれる「6-MSITC」は、西洋わさびを配合したもの、長期保存のため副原料・添加物が多く含まれたものにはほとんど含まれていません。そのため、チューブわさびではほとんど得られないのが事実です。

  • [注2]『ワサビのすべて 日本古来の香辛料を科学する』木苗直秀・小島操・古郡三千代(2006年 学会出版センター)

ワサビスルフィニルの効果

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