口腔がん

口腔内口のなかに発生するがんの総称である「口腔がん」。日本では発生率が低いがんの種類ですが、口は会話や食事の摂取などの重要な機能を担う部位であるため、早期の発見・治療が求められます。

このページでは、口腔がんの基礎知識や症状について解説。転移しやすい部位や治療法もまとめました。

口腔がんの基本知識と転移の特徴

口腔がんは、歯肉・舌・あごの骨などの口腔内に発生するがんのことを指します。症状の特徴は、口腔内にできるただれ・しこり・痛み・出血など。噛み合わせや咀嚼(そしゃく)などの動作をしたときに違和感があった場合も、口腔がんが疑われます。

口腔がんの主な原因は喫煙や高齢化。そのため喫煙者が多い男性の方が発症する可能性が高く、女性と比べると男性の発症率は約2倍と言われています。また高齢になればなるほど発症率が上がり、患者の約75%が50歳以上。高齢化が進む日本では口腔がん患者が増加していくと考えられています。

口腔がんの中でも約60%を占める舌がんの場合、ほとんどと言っても過言ではないくらいの確立でリンパ節へ転移してしまいます。舌にはリンパ節が多く存在するため、がん細胞が早い段階で転移してしまうのが原因だと言われています。

口腔がん患者のうち約50%がリンパ節に転移した状態で発症が発見されているほか、治療後にリンパ節転移が見つかったりする可能性もあるそうです。

口腔がんから転移しやすい臓器とその症状

口腔がんを発症すると、多くの場合リンパ節へ転移すると言われています。口腔がんは舌・首・あごの下の骨などがある頸部リンパ節に近いところで発症するため、リンパ節への転移を起こしやすいのです。

がん細胞が頸部リンパ節に転移すると、首にしこりを感じることがあります。

リンパ節転移

口腔がんがリンパ節に転移すると、5年後の生存率は50%にまで下がってしまうと言われています。リンパ節転移がない場合の生存率は90%以上なので、治癒できる可能性は十分にあります。しかし、リンパ節への転移が見られると生存率はガクンと減少。さらに、骨や肺など他の臓器に転移すると生存率は30%に下がってしまいます。

口腔がんは口内炎の症状と似ている部分が多いため、発見が遅れてしまいがちです。違和感を覚えて医師の診察を受けたときには口腔がんがすでにリンパ節に転移していた…というケースは少なくありません。2週間以上口内炎が続くようであれば、口腔がんを疑って医師に相談しましょう。

リンパ節転移の主な治療法

リンパ節に転移したがんは、主に頸部郭清術(けいぶかくせいじゅつ)という手術を行って取り除きます。身体の機能を維持するために必要な神経や血管などは残しつつ、がんが転移したリンパ節と周囲の組織などを一緒に切除。進行がひどく手術で治療することが難しい場合や術後の機能障害が大きいと考えられる場合は、抗がん剤を投入する化学療法と放射線治療を組み合わせた治療法を実施します。

動脈に入れた細いカテーテルから抗がん剤を投与して経過を観察するこの治療方法は、効果がきわめて高く、手術をしなくても口腔がんを治せる可能性が高い治療法だと言われています。

口腔がんの種類

舌がん

舌の側面や付け根などに発生するのが特徴で、口腔がんの中で最も症例が多い病気です。舌がんはリンパ節に転移しやすいため、診断を受けた際にはすでに転移していたというケースが数多くあります。

早めに発見できれば治療で治せる見込みが高まりますが、進行している場合は舌を切除しなければいけません。症状としてろれつが回らなくなる、口内にしこりが発生するなどがあります。

歯肉がん

患部からあごの骨全体に広がりやすいのが特徴のがんです。症状として口内にしこりが発生し、指を入れたら引っかかるような感覚を覚えます。その他の症状とだと歯肉がただれる、入れ歯を付けている人は合わないと感じたりするようです。歯肉のただれは歯周病の症状と似ており、歯肉がんかどうかを正確に判断するには医師に診てもらう必要があります。

口腔底がん

神経にほど近い舌の裏側で発生するため、手術で取り除くのが難しいという難点があります。発症すると歯肉がんと同じく粘膜にただれが発生し、同時にしこりができる可能性もあるのが特徴です。自分で触って見て一部だけ硬いと感じるようであれば、一度病院で診てもらったほうが良いでしょう。

手術後はタンが溜まるうえ、喫煙する人だとさらにタンが溜まりやすくなるので息苦しさを感じる可能性があります。

頬粘膜がん

頬粘膜がんの発症率は、口腔がんの約10%を占めます。頬の内側にできるため、進行度によっては近くにある歯や骨の切除も行わなければいけません。発症した箇所はざらついた感じのできものが発生し、白っぽくなります。進行度によっては、頬の表面に大きなできものが現れるのもこのがんの恐ろしいところです。

口蓋がん

上あごに発症するがんで、症状として腫れが発生します。発症率は口腔がんの中でも低く、全体の2~3%ほどです。しかし、進行すると上あごの骨にまでがんが広がってしまいます。長期間経ってしまった場合は、腫瘍だけでなく上あごの骨も一部切除しなくてはいけません。手術後に欠損した箇所は、義歯を装着して機能を補助します。

口唇がん

唇にできるがんを「口唇がん」と呼びます。前頸部がんの一種で、口腔がんと同じく煙草・アルコール摂取、紫外線などをリスク因子とするがんです。唇にただれやしこり、腫れ、出血などの症状のほか、声の変化、食事がしにくい、歯の異常なども見られる場合が。自覚症状がわかりにくいため罹患者自身が気付くことは難しく、歯科検診でたまたま発見されることもあります。

検査は身体新圧や内視鏡検査、生検、剥離細胞診などを実施。腫瘍の位置や転移の有無、健康状態、会話・食事のための能力を今後も保てるかを確認して、治療方法を検討します。治療法のひとつに「放射線療法」があり、煙草を吸う罹患者であれば治療開始前に喫煙できれば、回復の見込みがより高くなります。

口腔がんに対する治療法

口腔がんに対する主な治療法として、切除手術が行われます。患部とその周辺を切除しますが、首のリンパ節に転移している場合はリンパ節の切除も必要です。しかも、かなり進行している場合は舌のほとんどを切除します。

また切除手術以外には放射治療と薬物療法があり、放射線治療は切除手術後の補助療法として行うのが一般的です。薬物療法の場合は、口から離れたところへ転移したがんに対して薬が使用されます。

手術後の後遺症について

手術後はのど・あごの引きつれや痺れなど、口周辺に後遺症が残る患者がいるようです。初期のがんであれば軽度で済みますが、重度のがんを手術した場合はどうしても会話や食事に影響が出てしまいます。その場合はものを飲み込みやすくする、首周囲の筋力を向上させることを目的としたリハビリが行われます。

また術後の放射線治療や薬物療法でも副作用のリスクはあり、皮膚の炎症や口内炎などが起こり苦労した患者もいるとのことです。

場合によっては舌を切除しなくてはならない

舌がんが進行していた場合、舌の半分以上もしくは全ての摘出を余儀なくされるケースがあります。どちらもがんが進行している場合に行われるので、機能低下は免れません。失った部分は、腕や足などの別の部位を一部移植した後リハビリが行われます。

口腔がんで起こりうる症状

しこり

口腔がんの症状のひとつにしこりがあり、盛り上がったかたまりやしこりを伴う粘膜表面のえぐれとして現れます。しこりができるのは頬の内側や舌などで、できたばかりの頃は痛みやかゆみは特に感じることはありません。痛みが出た時にはすでに進行している場合が多いため、なかなか治らない硬いしこりがある人は注意が必要です。

腫れ

腫れも口腔がんの症状のひとつで、粘膜の表面がデコボコに腫れ上がり、やや硬くてざらざらとした感触である場合がほとんどです。口底や舌、歯茎などに見られ、赤味と白味が出ます。病期が進むとリンパの流れに乗って顎の下や首のリンパ節に転移し、リンパ節が腫れることも。さらに進行すると他の臓器にも転移して、全身的な症状を起こします。

白板症

口腔内の粘膜で生じた摩擦によって現れる除去できない白色の板状の症状を言います。まだら状の角化性病変で、他のいかなる疾患にも分類されない白斑です。この症状が癌化を引き起こすのは10%程度とされています。現れる場所は、舌や歯茎など。白くなるだけでなく、紅斑を伴う場合もあります。癌ではないと分かっていても、厳重な経過観察が必要な症状です。

紅板症

臨床的・病理組織学的に他の疾患に分類されない紅斑とされる症状です。組織学的には、がんと正常な組織との境目から上皮内がんまでを指します。約50%が癌化すると言われており、紅斑の存在する病変はすでに癌化している可能性が考えられます。舌・歯肉・その他の口腔粘膜に発生し、鮮やかな赤色をしていて表面の状態はなめらかです。境界がはっきりしているものも多く、刺激痛があります。

口内の痛み

自覚症状として最も多いとされていますが、初期は痛みが少ないため気付けないケースがほとんどです。実際のケースでは、歯の奥がチクチクと痛んだことが気になり医師に相談。その結果、口腔底がんであることが分かったとのことです。痛みを感じた時にはすでに進行している可能性が高いため、早めの診断をおすすめします。

がんの再発や転移とたたかうには

がんに立ち向かう上で、もっとも注意したい「再発や転移」。たとえ、医師による適切な処置を受けていたとしても再発・転移の可能性はある、ということをわきまえておかなければなりません。

そのため、医療機関のみに頼るのではなく、私たちができる代替医療も率先しておこない「がんの予防線」を何重にも張り巡らせることが、がんとたたかっていく上で極めて重要となってきます。

漢方や鍼灸、アロマ・マッサージ、健康食品、サプリなど、さまざまな代替医療が存在する中で、「グルタチオンS-トランスフェラーゼ」をいかに活発化させるかが、がん再発・転移予防のキーポイントとされています。

グルタチオンS-トランスフェラーゼとは、体内で働く解毒酵素のひとつ。この酵素を活性化させる野菜として、わさびが注目を浴びています。

わさびに含まれる成分「ワサビスルフィニル(6-メチルスルフィニルヘキシルイソチイオシアネート)」は、このグルタチオンS-トランスフェラーゼを活性化させるとして、論文でも発表されました。

このほかにも、ワサビスルフィニルには、活性酸素を抑える、ピロリ菌などの細菌の増殖を抑制、血流の促進や血栓予防、免疫力向上、といったさまざな効果も。

また、がん細胞の増殖を抑制し、転移を防ぐといった効果も確認されているため、がんの再発・転移とたたかう方はもちろん、すでに転移してしまったという方にも、ぜひ摂取して欲しい成分なのです。

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