がんの中でも、最も早期発見が難しく、悪性度が高いことで知られるすい臓がん。
ほかの臓器へ浸潤や転移しやすく、予後が悪いケースが多いことから、『がんの王様』とも呼ばれるほど治療が難しいがんです。
すい臓がんの特徴や転移した時の症状や対処法についての情報をまとめて解説しましょう。
すい臓がんは、罹患する患者数は肺がんや胃がんに比べてそれほど多くないのですが、一度かかると、かなり厄介ながんであることで有名。
すい臓は、お腹の奥に位置するとても小さな臓器で、がんになってもほとんど自覚症状がないのが特徴。血液検査による腫瘍マーカーやその他の検査などの精度も低く、なかなか見つかりにくいものです。
さらに、すい臓そのものが小さい上に周りの血管やリンパ管が多く、浸潤や遠隔転移しやすいことが問題のひとつ。周囲に神経も多く通っているため、神経に沿った浸潤も起こしやすいのだとか。肝臓など他の臓器に転移したがんが見つかり、すい臓がんが原発だったと分かるケースが多いようです。
そんな理由から、すい臓がんは腫瘍の大きさが2cm未満のステージⅠであっても進行がんとされ、5年生存率が60%以下というとても厳しいがんなのです。
非常に転移しやすいと言われるすい臓がんですが、特に多く転移するのが肝臓や腹膜、胃、骨、リンパ節など。ほかにも、脳や肺などに転移する場合もあり、遠隔転移が多く見られます。すい臓がんの転移しやすい臓器についてまとめました。
すい臓の周りには大きな血管が通っていて、すい臓から出た血液が最初に向かう肝臓に転移する、血行性転移が多くなっています。
肝臓はすい臓と並んで『沈黙の臓器』と呼ばれるほど、症状が出にくい臓器。肝臓に転移した場合は、お腹の右上の鈍痛や黄疸、全身の倦怠感などが表れます。しかし、症状が出た時には、かなりがんが進んでいることが多いようです。すい臓がんと診断された時点で、転移を疑って、検査を受ける必要があります。
すい臓は胃と隣接しているので、胃へ転移するケースも多く見られます。また、胃がんからすい臓へと転移するパターンも多く、この二つの臓器は運命を共にしていると言えます。
胃へ転移した場合、初めは胸焼けや胃酸過多などの症状が出ることがありますが、初期症状はほとんど自覚できません。症状が進むと、吐血や貧血、体重の減少などが見られます。
とても小さな臓器であるすい臓は、がんが進行するとすい臓からがん細胞が広がり、腹膜の至る所に転移することがあります。すい臓が位置しているのが、お腹の奥であるため、後腹膜の複数の箇所に転移してしまい、手術では取り除きにくくなってしまいます。
このため、すい臓がんからの転移の場合は、病巣の切除手術は行われず、抗がん剤治療や放射線治療がメインとなります。
すい臓がんが、ステージⅠ期やⅡ期などの早期に見つかるケースは稀で、すい臓に特化した検査を受けた時や、他の病気の検査でたまたま見つかることが多いです。
早期発見できた場合は、すい臓を切除する外科的治療を行います。
しかし、すい臓がんはⅢ期以降で見つかるのが一般的。Ⅲ期はすい臓の周りの臓器に転移が見られる状態です。
Ⅲ期のがんは、手術で取れない深い位置に達していることが多いため、治療では抗がん剤を使用した化学療法や放射線療法をメインに行っていきます。
また、すい臓がんは、最も重い症状のステージⅣ期で見つかることも多いです。Ⅳ期は、広範囲の臓器にまでがんが転移している状態。
Ⅳ期になると完治がが難しくなるので、Ⅲ期と同じ方法で延命治療を行ったり、痛みを緩和させる鎮痛剤での対処をメインに行います。
そのほか、症状の進行によって食事が出来なくなった場合は、バイパス手術などもしていきます。
がんに立ち向かう上で、もっとも注意したい「再発や転移」。たとえ、医師による適切な処置を受けていたとしても再発・転移の可能性はある、ということをわきまえておかなければなりません。
そのため、医療機関のみに頼るのではなく、私たちができる代替医療も率先しておこない「がんの予防線」を何重にも張り巡らせることが、がんとたたかっていく上で極めて重要となってきます。
漢方や鍼灸、アロマ・マッサージ、健康食品、サプリなど、さまざまな代替医療が存在する中で、「グルタチオンS-トランスフェラーゼ」をいかに活発化させるかが、がん再発・転移予防のキーポイントとされています。
グルタチオンS-トランスフェラーゼとは、体内で働く解毒酵素のひとつ。この酵素を活性化させる野菜として、わさびが注目を浴びています。
わさびに含まれる成分「ワサビスルフィニル(6-メチルスルフィニルヘキシルイソチイオシアネート)」は、このグルタチオンS-トランスフェラーゼを活性化させるとして、論文でも発表されました。
このほかにも、ワサビスルフィニルには、活性酸素を抑える、ピロリ菌などの細菌の増殖を抑制、血流の促進や血栓予防、免疫力向上、といったさまざな効果も。
また、がん細胞の増殖を抑制し、転移を防ぐといった効果も確認されているため、がんの再発・転移とたたかう方はもちろん、すでに転移してしまったという方にも、ぜひ摂取して欲しい成分なのです。
>>がんの代替医療の最前線・注目の成分ワサビスルフィニルとは?
すい臓がんだと診断を受けた場合、医師にはいろいろと確認しておかなければならないことがあります。具体的にどういったことを聞いておけば良いのかについてご紹介しましょう。 わからないことをため込んでしまうと不安も募ります。ですが、がん患者本人やその患者と近しい家族が一人で質問をすると気が動転してしまい、せっかく質問したものの内容を覚えていない可能性も高いです。こういったことを避けるため、二人以上で話が聞けると理想的ですね。
医師からの回答はメモを取っておくとわかりやすいです。もし、わからないことがあればわかったふりをするのではなく、はっきりと「わからなかったのでもう少し詳しくお願いします」と納得できるまで聞くのがポイントになります。 最低限次のことは確認しておきましょう。
ステージについては医師から説明があるはずですが、自分で質問をすることによってしっかりと理解ができます。現在、病気は体のどこにあるのか、どのくらい進行しているのか、更に詳細な検査をする必要はあるのかなども確認しておきましょう。
具体的な治療法について確認をします。薬を使う場合はどのような薬を使うのか、副作用はあるのか、どれほどの効果は期待できるのかまで確認しておきたいですね。
すい臓がんの治療にはいくつかの選択肢があるのですが、実際に治療を受ける際には自分で納得した上で治療を受けなければなりません。病気の治療にはメリットだけでなくデメリットもあるため、そういったところもすべて含めてしっかり理解しておきましょう。
手術をする場合、薬を使った治療よりもお金がかかりますし、リスクもあります。そのため、何のために手術を受けるのか、どのようなメリットやデメリットがあるのかまで確認しましょう。回復までの期間についても確認しておいたほうが不安を取り除けるはずです。
臨床試験ではどのような結果が出ているのかについて確認をしておくと、自分が行う治療が本当に効果的なのか、自分が選択すべきなのかが判断できるはずです。臨床試験についてはインターネット上などでも調べることは可能ですが、医師に直接聞いた方がわかりやすいでしょう。
入院をして治療することになった場合、入院期間も確認しておくべきです。期間によってかかる費用や、働いている場合はどれくらい休みを取らなければならないのかが変わってきます。費用については医師に確認しにくいと感じる方もいるようですが、非常に重要なことなので遠慮せずに確認しておきましょう。
すい臓がんの場合、一度治療が完了したからといって、それですべてのリスクが取り除けたわけではありません。定期検査を受ける必要性もあるので、治療後は具体的にどのような生活をしていけば良いのか、検査を受ける場合はどのくらいの頻度で通うのかも確認しておきましょう。
まずは先述したように、医師に様々なことを確認しておきましょう。しかし、その中で納得できないことや疑問が残ること、不安に感じることもあるかもしれません。中には、医師の治療方針に不満を感じる方もいるでしょう。
そういった場合、どうしてもその病院で治療を続けていくことが検討できない場合はセカンドオピニオンを受けるのも1つの方法です。セカンドオピニオンを受けることにより最初に治療方針を示してくれた医師の言っていることが正しいのか、他の選択肢がないのかなども確認できるでしょう。 セカンドオピニオンを受けることにより、自分にとって最も理想的な治療方針がわかった、最初の病院では提案してもらえなかった新たな治療方針を示してもらえたなどのメリットもあります。
参考:『みんなの質問ノート』NPO法人愛媛がんサポートおれんじの会
http://machinaka-orange.jp/wp-content/themes/orange/images/shitsumon.pdf
参考:『かしこい患者はきき方上手 もっと話そう!伝えよう!』東京都西多摩保健所
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/nisitama/iryousoudan/kanjanokoe.files/kasikoi.pdf
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