大腸がん

大腸大腸がんは大腸(結腸・直腸・肛門)に発生するがんで、日本人はS状結腸と直腸にできやすいといわれています。良性のポリープががん化して発生するものと、粘膜から直接発生するものがあり、大腸の粘膜に発生した大腸がんは、時間をかけて大腸の壁に深く侵入し、腹腔内に拡散したり、大腸の壁の中のリンパ液や血流に乗り、肝臓、肺といった別の臓器に転移します。大腸がんの転移に関する情報をまとめて解説しましょう。

 

大腸がんから転移しやすい代表的な部位

転移しやすい場所[注1] 再発率[注1] 症状
肝臓 7.0% 食欲が減る、貧血になる、意識が朦朧とする、吐血
3.5% 咳や息切れ、息苦しさなどの呼吸障害、咳込んだ時に血痰が出る
大腸局所 1.8% 消化器官が傷ついたことによる下血・血便、激しい腹痛と便秘

肝臓や肺などの大腸以外の臓器に再発

結腸がんと直腸がんでは再発しやすい部位が異なります。結腸がんは、肝臓に再発する確率が最も高いと言われています。一方直腸がんは、肝臓・肺・大腸局所でそれぞれ同じぐらいの割合で再発を起こします。大腸がんの再発のうち、約95%が術後5年以内に見つかっています。

早期段階で再発を発見できれば、再び手術で取り除ける可能性が高くなるので、少なくとも術後5年間は定期的に検査を受けるようにしましょう。

直腸がんの特徴

直腸と呼ばれる肛門から約20cmまでの部分に悪性細胞が生じる病気を、直腸がんと呼びます。直腸は痛みを感じにくいため、異常が合ったときに気づかない可能性があります。何か異常がある場合には出血と言う形で現れますが、「痔」と勘違いする人も少なくありません。もしも痛みや違和感などがなく出血している場合は、医師の診察を受けた方がいいでしょう。

直腸がんの主な症状

  • 下痢
  • 便秘
  • 残便感
  • 通常とは異なる便通
  • 腹部の不快感
  • 食欲の変化
  • 原因不明の体重減少
  • 極度の疲労感

便の状態から症状を自覚しやすいのも、直腸がんの特徴です。直腸は肛門に近いため腫瘍が便に触れることもあり、痛み・血便が生じることも。普段より細いまたは形の違う便が出る場合もあります。

直腸がんの罹患リスクが高い方

以下の3点のいずれかに当てはまる場合、罹患リスクが高いため注意が必要です。

  • 40歳以上の方
  • 家族(親・兄弟・姉妹・子供)に結腸がん・直腸がん・ポリープの病歴を持つ人がいる方
  • 以前に結腸がん・直腸がん・または結腸・直腸のポリープ・卵巣がん・子宮内膜がん・乳がんのいずれかを患ったことのある方

[注2][注3]

結腸がんの特徴

結腸とよばれる体の消化管の一部、主に大腸の初めの約1.8mの部分に悪性細胞が生じる病気を指します。

主な症状

  • 普段とは違う便通
  • 腹部の膨張感
  • 原因不明の体重減少
  • 極度の疲労感
  • 嘔吐

便に血液が混ざる、腸内ガスが頻繁に発生することによる痛みなどの症状もありますが、直腸がんに比べて起こりにくいため、自覚症状があまりありません。そのぶん発見が遅れる危険性もあるので、注意が必要です。

結腸がんの罹患リスクが高い方

以下の3点のいずれかに当てはまる場合、罹患リスクが高いため注意が必要です。[注4]

  • 50歳以上の方
  • 家族(親・兄弟・姉妹・子供)に結腸がん・直腸がん・ポリープの病歴を持つ人がいる方
  • 以前に結腸がん・直腸がん・卵巣がん・子宮内膜がん・乳がんのいずれかを患ったことのある方
  • 大腸の粘膜に潰瘍ができる潰瘍性大腸炎やクローン病を過去に患ったことのある方

大腸がんの基礎知識と転移の特徴

大腸がんは、がんができる場所によって症状や治療法、予後が大きく異なります。肛門に近い直腸や下行結腸、S状結腸などにがんができると、血液が混ざった便が出たり、便がふれて痛みがあったり、比較的症状を自覚しやすいのが特徴です。

逆に、小腸に近い上行結腸などのがんは、腹痛を起こしにくく血便もあまり出ないので、早期発見されにくいようです。

基本的に大腸がんの進行は緩やかで、ステージⅠのがんでしたら、内視鏡で切除治療を受けることもできます。ほかの臓器と比べると、治りやすいがんであると言えるでしょう。

ただし、上行結腸や横行結腸にがんができた場合、肝臓や肺などに転移を起こしやすく、転移先のがんの症状で大腸がんが原発であったことに気が付くケースもあるそうです。

大腸がんが転移しやすい臓器とその症状について

大腸がんは、完治しやすいがんであると言われていますが、小腸に近い部分のがんなどで発見が遅れた場合は、他の臓器へ血行性転移やリンパ節転移を起こすことがあります。[注5]

大腸がんが転移しやすい臓器について、症状などをまとめて紹介します。

大腸がん(結腸がん・直腸がん)の治療

進行中の大腸がんの治療として第一に挙がるのは、外科手術です。がん細胞を取り去る治療で、がんの進行具合および患者の体調等を総合的に判断した上で、手術の方法を決定します。

早期のがんは開腹手術を行わずに内視鏡によって対象の箇所を切り取ります。開腹を行わないため傷の治りが早いのが特徴。患者に負担をかけずに手術を行えます。内視鏡で切除できない場合は、複数からなる大腸の粘膜のどの層までがんが到達しているかを示す深達度、リンパ節への転移、遠隔転移の3つの状態を診断して切除する対象範囲を決めます。

内視鏡によるがんの切除

早期がんに対しては、リンパ節への転移がないと判断されることが多く、内視鏡を用いた対象の大腸粘膜の切除手術を行うことが多いようです。開腹手術に比べて、対象となる切除部分が小さいことが前提となりますが、その分出血や痛みも少ないため、患者にとって負担が少ない治療です。

内視鏡で認識できる程の隆起した病変については高周波スネアと呼ばれる金属の輪っかを直接病変に当て、縛りながら通電することで対象を焼灼(しょうしゃく)。隆起のない病変の場合は、生理食塩数を注入して病変を隆起させてから、高周波スネアを用います。まれに大腸の組織が破れる、出血が見られるといったことが起こる可能性があります。

腹腔鏡を使う手術

腹腔鏡手術では、腹腔内(臓器と腹部の壁の間)に炭酸ガスを充てんし、腹部を膨らませた上で開けた穴から腹腔鏡と呼ばれる高性能カメラを挿入します。限られた視野の中で手術機器の操作を行うため、腹腔内を傷つけない・早期に出血を認識するなど、担当医の技術が求められる手術です。

内視鏡手術では切除が困難な大きさのがんや複雑な形状のがんを対象とし、リンパ節転移の可能性のある組織が少ない、あるいは隣の臓器への浸潤の可能性が低い場合に行います。主流は腹部の4~5か所に穴を開ける方法です。しかし最近では臍の部分のみを切開する単孔式腹腔鏡下手術という術式も開発されています。手術の痕跡の残らないのがメリットです。

腹腔鏡を使った手術は術中に空気が触れる箇所が少なく、切除を行った部分が周囲の臓器等と癒着する可能性を減らせます。[注6]

化学治療

化学療法は手術の補助的な役割で行われるものと、単独でのがん治癒を目的としたものの2種類あります。大腸がんに対しては、手術を中心とした治療を行うため、補助的な位置付けでの化学療法が中心です。化学療法の基本となる薬は「5-FU」と呼ばれており、急速静注、持続静脈投与(点滴による長時間投与)、内服の3つの投与方法があります。

手術でがんをすべて切除しても再発の可能性があるため、再発を防ぐために補助化学療法を実施。大腸がんの再発率は約17%です。補助化学療法は投与を6か月間行い、経過を確認しながら治療の方針を決定します。

手術でがんを全て切除できない場合にも化学療法を行います。この場合、化学療法のみによるがんの治癒はあまり期待できないため、がんの縮小による生存期間の延長を目的とすることが多いようです。

但し、化学療法で用いられる抗がん剤は副作用も大きく、脱毛や嘔吐の他に骨髄抑制といった白血球や血小板などの骨髄で作られる物質の著しい現象もあります。現在ではこういった副作用を軽減させる薬も開発。患者の体調とバランスを見ながら投与できるようになってきています。

放射線治療・免疫療法

放射線療法は、放射線よって異常に分裂を繰り返すがん細胞を増えないように促す効果や、細胞が新しいものに入れ替わる際に脱落させることでがん細胞を除去または縮小させる効果が期待できる治療法です。がんの種類によって効果が異なるため、副作用も様々。大腸がんについては補助的な療法として行われます。[注7]

免疫療法は、人間の体の免疫作用を用いる療法です。がん細胞は免疫の目を逃れて攻撃の対象となっていない場合と、免疫自体に力がなくがん細胞を排除しきれていない場合の2つがあると考えられています。よって、免疫賦活剤(めんえきふかつざい)と呼ばれる薬剤によってがん細胞を免疫の攻撃対象と認識させる方法と、体内の免疫の力を強める薬剤を投与する方法の2種類存在。他の治療方法と比べて大きく効果があると認定されておらず、補助的な役割で免疫療法を行うことが多いようです。[注8]

肝転移

大腸がんに罹患した方の約11%に、肝転移が見られると言われています。大腸と肝臓は隣接していますし、大腸を出た静脈血が最初に入るのは肝臓であることから、血行性転移を起こしやすいのです。

肝臓へ転移した場合、自覚症状があまりないのが特徴ですが、黄疸やお腹の右上の鈍痛、倦怠感などが出始めたら転移を疑う必要があります。

肝転移の主な症状

大腸がんの肝転移の症状は、食欲不振・貧血・意識障害といった見落としがちなものから吐血・腹部のしこりなど身体の不調に気づきやすいものまであります。中でも黄疸が出た際は注意が必要です。

肝転移の治療法

肝転移の治療法は「肝切除手術」「化学療法」「ラジオ波治療」があります。

肝切除手術

元の大腸がんと同じように手術で切除する肝切除手術が最も有効です。転移が1ヵ所の場合は治りやすいですが、多数の転移があっても手術は可能です。転移箇所が多いときは2回に分けて手術するケースもあります。

また、手術したあとの残った肝臓に再発しても、再度切除することで治療が可能です。数が多いときや大きいもの、大血管に近いものは手術前に化学療法で小さくしてから手術するといった方法もあります。

化学療法

化学療法は大きさ・数・肝臓以外の転移の存在といった問題から、手術で切除できない方に最善の方法です。また、すぐには切除ができない場合にも有効な治療法とされています。

ラジオ波治療

ラジオ波治療は、手術せずに体外から針を刺してがんを焼き溶かす治療法です。肝臓に直接刺す場合もあります。切除手術に比べて出血も少ないので、身体への負担が小さいのが特徴です。しかし、切除手術に比べると再発率が高く、切除できない部位の転移の可能性も出てきます。体力的に手術が難しい方に対して行われる治療法です。[注9]

肺転移

大腸がんからの転移先として、肝臓の次に多いのが肺。まずは大腸から肝臓へ転移し、さらに肺へ転移してから脳や骨などへがん細胞が回る、というルートをたどるケースが多いようです。一週間以上続く咳や血痰、息苦しさなどを感じたら、肺への転移を考えて検査と治療を行います。

肺転移の主な症状

1週間経過しても改善しない咳が続きます。肺がんが気管支や肺を刺激することで起こる症状です。肺がんが気管支に傷をつければ血痰(けったん)も起こす場合も。また、気管支が閉塞されると、息がしづらくなります。[注10]

腹膜転移

大腸がんが進行すると、腸管を破ってがん細胞が腸の外へ出てしまうことがあります。そうなると、がん組織が腹腔へこぼれ落ちてしまい、広い範囲に散らばって転移を起こすことに。

腹膜に広がったがんは、大きく腫れて内臓を圧迫したり水をだしたりするので、便通が悪くなり、吐き気を起こします。腹水がたまってお腹が張り、苦しくなってしまうこともあります。

腹膜転移の主な症状

腹膜転移には「脳転移」と「骨転移」があります。

脳に転移すると、麻痺や痙攣、ふらつき、ものが二重に見える、うまく話せないなどの症状が引き起こされます。また、脳が腫れてくると頭痛や吐き気、意識障害をになることも。

手や足の麻痺など、日常生活への影響が大きい場合は、患者の病状を見て手術をする場合があります。

そのほかの治療法では、抗がん剤が脳まで届かないため、「ガンマナイフ」という放射線治療を行っていきます。高い効果が期待できる治療法なので、治療後3カ月以内に70~80%の確率で症状が改善します。

また、骨転移では、骨が徐々に溶けて破壊され、周囲の組織が圧迫されてきます。これにより、痛みや麻痺などの症状が現れます。がんが転移する確率は1~2%と低いものの、転移すると治療が難しくなってきます。

大腸がんは骨にのみ転移することが稀で、他の臓器にも転移していることが多いです。治療では、抗がん剤による化学療法などを行いながら、がんが転移した骨に放射線を照射し、モルヒネなどの麻薬で痛みを抑制させていきます。

リンパ節転移

大腸がんは進行するにつれてリンパ節に転移することがあります。ステージでいうと、Ⅱ期の段階ではまだがんが大腸壁の筋層を超えてはいるもののリンパ節転移がない状態なのですが、Ⅲ期になるとリンパ節への転移が認められる状態です。

ステージⅢ期の中でも、転移したリンパ節が3個以下の場合はⅢa、4個以上あった場合やそれ以下でも主リンパ節か側方リンパ節に転移があった場合はⅢbとなります。リンパ節への転移が認められた場合、外科治療によって手術を行い、がんのある腸管とリンパ節を切除しなければなりません。

がんの種類によってどこに転移しやすいかは異なりますが、大腸がんの転移で多く見られるのは肝臓や肺、リンパ節です。がんは転移する病気ということもあり、手術の際にはすべて切除できたように見えていたとしても、その時はすでに他の臓器に癌細胞が移動していることもあり、このようなケースでは何年か経ってから転移が見つかることも珍しくありません。[注2][注11]

リンパ節転移の主な症状

がんはリンパの流れにのってリンパ節に転移します。これを「リンパ行性転移」と呼ぶのですが、これはがんが大腸の壁の中にあるリンパ管の中に入ったことによって運ばれた状態です。

大腸がんは初期の段階ではほとんど自覚症状がありません。しかし、便に血がまじる、便が細い、排便しても残っている感じがする、腹痛などの症状を感じることがあるため、体の異変には注意しましょう。

脳転移

がんが脳に転移する可能性はそれほど高くありません。

転移性脳腫瘍のおよそ半数は肺癌由来であり,大腸がんの脳転移が占める割合は全体の5 %と少ない.大腸癌は肝や肺に転移することが多く,頻度は肝転移24%,肺転移9%と報告されているのに対し,脳転移の頻度は1.3~1.8%と稀である.

出典:『孤立性脳転移再発した直腸癌の1例』釧路労災病院外科 河合朋昭 他
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsa/74/7/74_1760/_pdf

ここからもわかる通り非常に稀ではありますが、可能性はゼロではないのです。大腸がんがあり、その他に脳転移のみ見られるというよりも、脳以外への転移も見られるのがほとんどとなります。

脳の転移があった場合、手術や放射線治療を行うことになります。ただし、切除手術が難しいケースも珍しくありません。例えば、切除することによって神経症状などの重大な後遺症が残ると判断された場合には手術を選択できないのです。この場合、放射線治療を検討することになるでしょう。全脳照射・定位放射線照射から最適な方法がとられます。

脳は体の中でも特に重要な臓器ということもあり、転移巣が大きくなった場合には脳を圧迫し、様々な症状を引き起こしてしまうのです。そのため、放射線治療では転移巣を小さくし、症状を和らげる目的で行います。

基本的に手術で切除するのは病巣が1つ程度の場合のみであり、数が多い場合は手術ではなく放射線での治療を検討することになるでしょう。

脳転移の主な症状

腫瘍ができた部分が圧迫されることで起きる症状と、頭の中の圧が高まることで起きる症状の2つに分かれます。

早朝にのみ起きる頭痛は、腫瘍ができた部分が圧迫されて起きる症状です。通常、寝ているときは起きているときに比べて頭蓋内圧(頭蓋骨内部の圧力)が高くなりますが、脳転移のある患者の頭痛は就寝時の頭蓋内圧の高まりに加え、腫瘍そのものが脳を圧迫するので、朝起きたときに頭痛が起こることがあるのです。こういった早朝の頭痛を「モーニングヘッドエイク」と言います。[注12]

がんの再発や転移とたたかうには

がんに立ち向かう上で、もっとも注意したい「再発や転移」。たとえ、医師による適切な処置を受けていたとしても再発・転移の可能性はある、ということをわきまえておかなければなりません。

そのため、医療機関のみに頼るのではなく、私たちができる代替医療も率先しておこない「がんの予防線」を何重にも張り巡らせることが、がんとたたかっていく上で極めて重要となってきます。

漢方や鍼灸、アロマ・マッサージ、健康食品、サプリなど、さまざまな代替医療が存在する中で、「グルタチオンS-トランスフェラーゼ」をいかに活発化させるかが、がん再発・転移予防のキーポイントとされています。

グルタチオンS-トランスフェラーゼとは、体内で働く解毒酵素のひとつ。この酵素を活性化させる野菜として、わさびが注目を浴びています。

わさびに含まれる成分「ワサビスルフィニル(6-メチルスルフィニルヘキシルイソチイオシアネート)」は、このグルタチオンS-トランスフェラーゼを活性化させるとして、論文でも発表されました。

このほかにも、ワサビスルフィニルには、活性酸素を抑える、ピロリ菌などの細菌の増殖を抑制、血流の促進や血栓予防、免疫力向上、といったさまざな効果も。

また、がん細胞の増殖を抑制し、転移を防ぐといった効果も確認されているため、がんの再発・転移とたたかう方はもちろん、すでに転移してしまったという方にも、ぜひ摂取して欲しい成分なのです。

>>がんの代替医療の最前線・注目の成分ワサビスルフィニルとは?

手術後の定期検査と再発予防の方法

術後の検査で腫瘍が残っていなかったとしても、0.1ミリや0.2ミリといったわずかな腫瘍は検出することが困難なため、見逃してしまう可能性があります。その小さな腫瘍が半年から1年ほどで大きくなると、がんが再発してしまうのです。再発防止のために行うのが抗がん剤による補助治療になります。

術後に抗がん剤治療を行った場合、治療をしなかった場合と比べるとおよそ10%、再発防止効果があるとされています。抗がん剤による補助治療は、なるべく術後8週間以内を目安にスタートさせます。治療期間は半年ほど。海外ではステージIIの一部の患者にも抗がん剤の補助治療を行うケースもありますが、日本ではステージIII未満の方は治療の対象外となります。抗がん剤治療には副作用が伴うため、補助治療の適応となる患者は75歳くらいまでの比較的体力のある方でなければ適応できません。それ以上の年齢の方は、副作用に耐えられる身体かどうかを検査結果をもとに判断し、本人と相談したうえで治療方針を決定していきます。[注13]

食事を見直して大腸がんを予防する

大腸がんは世界で3番目に多いがんで、がん患者全体の10%を占めています。大腸がんの発生に深くかかわっているのが、食生活。国立がん研究センターの研究によると、食事パターンは以下の3種類に分けられます。

  • 健康型…野菜や果物、いも類、大豆製品、きのこ類、海そう類、脂の多い魚、緑茶などが関連
  • 欧米型…肉類・加工肉、パン、果物ジュース、コーヒー、ソフトドリンク、マヨネーズ、乳製品、魚介類などが関連
  • 伝統型…ご飯、みそ汁、漬け物、魚介類、果物などが関連

健康型の食事パターンでは、魚や乳製品、大豆食品や野菜等をバランスよく摂取することがカギとなります。赤肉・加工肉の摂り過ぎも控えると良いことが統計的にわかっています。

男性では健康食事パターンの場合に大腸がんのリスクが下がり、女性においては欧米型食事パターンで結腸がんリスクが上昇することがわかっています。[注14]

食事パターンの改善を中心とし、適切な運動やストレスの少ない生活を心がけるだけでなく、定期検診も怠らないことが重要です。以前に罹患された方はもちろんのこと、近い症状を少しでも感じた方はすぐに受診することが肝心です。特に、家族の中に罹患者がいる場合は注意が必要かもしれません。

大腸がんは他の部位のがんに比べて比較的症状がわかりやすいものの、ちょっとした体調不良の延長ともとれる症状も含まれているため、気付きにくい疾病です。体調不良が通常より長く続く場合は、専門医の受診を受けるようにしましょう。早期発見が早期治療、根治に繋がります。

参考元

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