最近、日本人で患者数が増えていると言われる前立腺がん。
早期に発見すれば、切除手術と放射線治療などで完治を目指すことも可能ですが、進行すると骨やリンパ節への転移が起こることもあります。
前立腺がんにおける基礎知識や転移についての情報をまとめて解説しましょう。
前立腺がんは、男性の生殖器のひとつ、前立腺にがんができる病気。治療のポイントは、がん細胞が前立腺内に留まっているか、外側へ広がっているかどうかによって、変わってきます。
前立腺の内部だけにがん細胞がある場合は完治を目指しますが、前立腺を突き破って外側へ浸潤している場合や、精嚢などに浸潤しているケースでは、切除手術や放射線治療を行っても完治の可能性は低くなってしまいます。前立腺がんもやはり、早期発見が治療のカギとなります。
主な症状は、頻尿や残尿感、排尿困難など排尿に関する症状が多くなります。これは、前立腺肥大とほぼ同じような症状で、肥大症の治療を行っている内に早期のがんが発見されるケースもあるようです。
前立腺がんは背骨や肋骨、骨盤などの骨への転移が8割以上を占めます。そのため、前立腺がんで転移が疑われる場合は必ず骨に転移していないかを調べます。骨転移の次に多いのがリンパ節です。とくに骨盤の中の前立腺の周りのリンパ節に多く見られます。前立腺がんが他の臓器に転移しないよう、骨を検査する「骨シンチグラフィ」やCT検査を行うようにしましょう。
>>がんの転移・再発を防ぐにはどのような治療を行うべき?転移・再発防止策を見る
原発を前立腺がんとする主な転移先としては、隣接する精嚢や骨、リンパ節への転移が挙げられます。
前立腺がんの転移とその症状について、情報をまとめて解説します。
前立腺がんの転移として最も多いのが、背骨や肋骨、骨盤などへの骨転移です。転移したケースの約8割が骨転移だと言われています。他の臓器のがんでは、骨への転移は末期であることが多いのですが、前立腺がんは比較的早い段階で骨へ転移することがあるそう。
ですから、前立腺がんが進行していると診断された場合は、真っ先に骨シンチグラフィという弱い放射性物質を使った検査を行い、全身の骨の状態を画像で確かめます。
骨に転移した場合、麻痺やしびれ、痛みが出たり、病的な骨折も多くなります。
骨転移を伴う場合はゾレドロン酸やデノスマブといった薬を注入して治療を行います。これらの薬は破骨細胞(骨を破壊したり吸収したりする働きをもつ細胞)を抑える働きがあり、骨転移の進行を抑制。また、鎮痛剤により痛みを和らげる治療を行います。
痛みが一部の範囲に限られている場合は、放射線治療が効果的です。骨折防止のために放射線治療を行う場合もあります。内分泌治療が効きにくくなった患者に対して、転移している範囲が骨だけであれば塩化ラジウム223(ゾーフィゴ)による内服治療を行う場合も。
塩化ラジウム223は、前立腺がんの骨転移に対する治療薬で、初めてアルファ線を用いたがん治療薬です。注入されたラジウムが骨転移部位に蓄積し、アルファ線を放出してがんに効果をもたらします。[注1]
骨転移の次に前立腺がんからの転移が多いとされているのは、リンパ節転移。主に骨盤内にある前立腺周辺のリンパ節へ転移します。
リンパ節転移が悪化した場合は、下肢がむくんだり、下半身麻痺を起こすことがあります。
がんが前立腺の外側へ出ていることが分かったら、CT検査などでリンパ節の状態を確認します。
転移が見つかった場合は、ホルモン療法で進行を抑えるよう治療しますが、数年経過するとホルモン療法の効果が薄れてしまうことも。この場合は抗アンドロゲン剤を追加したり、他の治療法へ切り替えるなどの処置を行います。
早期発見された前立腺がんは、前立腺と一緒に精嚢を全摘出されます。それは、前立腺がんが進行して外側へ飛び出し、すぐそばにある精嚢に湿潤を起こすことが多いからです。
しかし、前立腺がんが進行して精嚢への湿潤が認められた場合は、摘出手術や放射線治療で完治を目指すのではなく、ホルモン療法などでがんの進行を抑える治療法へと切り替えます。
このケースは、がんが前立腺の周りや精嚢に移ってしまった状態です。適切な治療によって高い確率で根治が可能です。
転移が進行しているので、外科的治療や放射線療法を行うだけでは効果が低く、ホルモン療法との併用が必要になることもあります。
「がん保険by保険ソクテラス」が実施したアンケートによると、前立腺がんの治療費の実費結果は全体的には「200万未満」が多く見られました。ステージごとに見ると「300万以上」が最も多い結果に。
治療期間は1年未満ですが、先進医療技術である「重粒子線治療」を受けている方もおり、その治療費は実費だと約300万円になります。日本では、2012年2月から前立腺全摘手術が保険適用になり、普及が急速に進んでいます。費用総額は約150万円ですが、保険が適用されるので3割負担で45万円。高額療養費も適用が可能です。[注2]
前立腺針生検とは、前立腺がんの簡便な検査法として用いられているものです。PSA(前立腺特異抗原)という腫瘍マーカーの測定を行い、前立腺のがんや肥大症の疑いを確認します。検査の結果、PSAの数値が高いと判断された場合には前立腺がんである可能性が高くなります。
検査自体は10分程度で完了する簡単なものではありますが、検査後発熱などの合併症を発症する可能性があるため、ほとんどの場合は一泊二日程度の入院が必要になるのです。そのため、入院の費用もかかってしまいます。
感染を予防するためには抗菌薬の点滴なども行うことになるため、詳細な費用については病院によく確認しておきましょう。また、万が一検査後に合併症などが出た場合は入院日数が長くなる可能性があります。こういった場合の費用についても確認しておかなければなりません。
ごく稀にではありますが重度の合併症が出ることもあるため、そういった場合には入院費用も高くなりがちです。
どのような治療方法を選択するかは人によって違います。中でも最先端の治療法を試したいと思った場合、保険が適用にならない自己負担による自由診療を検討する方もいるでしょう。 この場合の費用について紹介します。
特に代表的な治療法が重粒子線治療です。 重粒子線治療とは、放射線を用いた治療の一種です。通常の放射線と違うのは、X線ではなく炭素イオン線を使った治療だということ。
X線の場合、体の表面に与える影響が大きく、ダメージもあります。がん細胞に対して十分な量のX線を照射させようと思った場合、表面にはさらに強い負荷がかかることになるのです。 一方で炭素イオン線は副作用が少ない放射線治療法として知られており、高い効果が魅力の方法となります。
しかし、保険適用にはならないため、300万円前後の治療費が発生すると思っておきましょう。そもそも、国内で重粒子線治療が受けられる施設は非常に限られています。この治療を受けようと思った場合、近くに治療を行っている病院がなければ交通費についても考えなければなりません。[注3]
がんと言えば、やっかいな事に再発の危険性が高い病気でもあります。治療が終わったあとも再発予防のための定期検査や、治療について考える必要も出てきます。
同じ症状で入院したとしても、病院によって受ける治療内容は大きく異なる場合があります。そのため、紹介した治療費用についてはあくまで一つの目安としてください。 1割負担であれば自己負担額はかなり抑えられますが、3割負担になる場合は治療が長引けば長引くほど治療費も高額となります。
ただ、治療費が高額になった場合、高額療養費制度など高額になりがちな治療費をサポートする制度もあるので、そういったものも活用してみましょう。
がんに立ち向かう上で、もっとも注意したい「再発や転移」。たとえ、医師による適切な処置を受けていたとしても再発・転移の可能性はある、ということをわきまえておかなければなりません。
そのため、医療機関のみに頼るのではなく、私たちができる代替医療も率先しておこない「がんの予防線」を何重にも張り巡らせることが、がんとたたかっていく上で極めて重要となってきます。
漢方や鍼灸、アロマ・マッサージ、健康食品、サプリなど、さまざまな代替医療が存在する中で、「グルタチオンS-トランスフェラーゼ」をいかに活発化させるかが、がん再発・転移予防のキーポイントとされています。
グルタチオンS-トランスフェラーゼとは、体内で働く解毒酵素のひとつ。この酵素を活性化させる野菜として、わさびが注目を浴びています。
わさびに含まれる成分「ワサビスルフィニル(6-メチルスルフィニルヘキシルイソチイオシアネート)」は、このグルタチオンS-トランスフェラーゼを活性化させるとして、論文でも発表されました。
このほかにも、ワサビスルフィニルには、活性酸素を抑える、ピロリ菌などの細菌の増殖を抑制、血流の促進や血栓予防、免疫力向上、といったさまざな効果も。
また、がん細胞の増殖を抑制し、転移を防ぐといった効果も確認されているため、がんの再発・転移とたたかう方はもちろん、すでに転移してしまったという方にも、ぜひ摂取して欲しい成分なのです。
>>がんの代替医療の最前線・注目の成分ワサビスルフィニルとは?
肺といえば前立腺からはかなり多い臓器ですが、症状が進行した場合には肺への転移が認められることがあります。遠隔臓器と呼ばれるもので、病期D とも呼ばれる段階です。
肺への転移を診断するためにはCT検査による画像診断を行うことになります。他にも場合によっては胸部エックス線検査やPET検査なども行うことになるでしょう。
肺は呼吸器系の臓器ということもあり、呼吸をするだけでも欠かせない役割を持っている臓器です。
多くのがん細胞は肺を通過することもあり、前立腺がんに限った事ではなく、肺への転移が認められことは珍しくありません。これは、肺は人間が生きていくために必要な酸素を取り込むために欠かせない役割を持っており、全身の血液が循環する働きを持った臓器だからです。
前立腺のように肺から遠い場所にあるがんだったとしても、症状が悪化して血液やリンパに乗ってがん細胞が広がった場合、その血流に乗って肺に流れてくることがあります。すると、肺には非常に微細な網目構造の毛細血管があり、がん細胞が引っかかりやすくなってしまうのです[注4]。
もしも前立腺がんが肺に転移した場合、咳や痰、肺に水が溜まったことが原因で起きる呼吸困難などの症状がみられます。こういった症状があった場合、肺への転移についても疑ってみましょう。もちろん、風邪などでも似たような症状が出るため転移の見極めが難しいところではありますが、心配な症状が少しでもあった場合には医師に相談して診察を受けてみたほうが安心できます。
転移性の肺がんだった場合、ポイントになってくるのはもともと発生していたがんの性質に関することです。つまり、ここでは前立腺がんですね。肺に転移していたとしても元臓器のがんの性格を受け継いでいるため、重要になってくるのは前立腺がんに働きかける治療法だといえます。
前立腺がんの治療で用いられることが多いのが、ホルモン療法です。そのため、肺に転移している場合の治療についてもホルモン療法が効果的だといえるでしょう。この点については、前立腺から他の部位に転移してしまった場合と同じだといえます。ホルモン療法を行うことにより肺の不調が改善したり、痛みが抑えられるので、取り入れるケースが多いです。
それから、肺に転移していることが確認されたものの、前立腺がんについてはすでに切除されていて肺以外の転移が認められないような場合もあります。このような場合に関しては、手術が行われる可能性もゼロではありません。これにはすべての転移巣が切除可能であるなどいくつかの条件が定められているため簡単なことではありませんが、場合によっては肺に転移していたとしても手術での治療が可能であるという点については押さえておきましょう。
もちろん、手術で切除をするということになれば体力なども重視しなければならないため、実際に条件をクリアできるのかなどについては医師の判断によっても変わってきます。切除可能かどうか判断するためには様々な検査が行われることもありますが、まずは専門医に相談してみましょう[注5]。
対症療法が必要になった場合、酸素の投与や咳や痰を抑える薬が使われることもあります。状態によっては呼吸困難をひどく感じることもありますが、こういった場合には肺に水が溜まっていることが大きな原因であるため、肺に穴を分けて水を抜いたり、水が溜まらないようにする働きを持った薬を使うなどの治療法も代表的です。
人間が生きていく中で呼吸は当たり前のように行うことということもあり、肺にトラブルが発生した場合には大きな不調を感じることになります。具体的にどのような治療を取り入れていくのかについては医師とよく話し合いをし、検討していきましょう。
前立腺がんに関する試験では、ポジトロン断層撮影(PET)でスキャンした段階では、本試験で対象となる男性全員が、がん細胞上にPSMAが見られるmCRPCであると診断されました。
PSMAは細胞膜に現れる膜タンパクのことで、前立腺がんに罹患している患者の多くはPSMAの数値が高いと言われています。mCRPCは前立腺がんが増殖して他の部位に転移してしまうことを言います。
試験前に、対象となる前立腺がん患者50〜87歳の前立腺特異抗原(PSA)の数値を調べたところ、中央値でした。ところが、2.6カ月後には数値が増加。がんの進行が早いため原因を調べたところ、ドセタキセル化学療法または抗アンドロゲン療法、アビラテロンやエンザルタミドの両方、もしくはどちらか一方で治療した経験があったと分かりました。また、患者の48%が二次治療であるカバジタキセル化学療法を受けていたのも分かりました。
数値の上がった患者に対して、試験では6週間ごとに4サイクルまでLuPSMAを静脈内投与。LuPSMAとは、低分子リガンドとルテチウム-177と言う放射性薬剤のことで、PSMAに反応して増殖を抑える作用が期待できます。
LuPSMAを投与された患者のPSA値、CT、骨もしくはPETスキャンでの画像診断で経過観察を行ったところ、半数以上の患者のPSA値の減少が見られました[注6]。
試験を受けた男性患者50人中32人のPSA値が50%以上減少。うち22人については、PSAが80%以上も減りました。LuPSMA療法で良好な数値を出した男性患者は、その後6.9ヶ月はPSA値は中央値であり、がんの進行が見られませんでした。
一方でがんの進行が確認された男性患者のうち14人は、2サイクルのLuPSMAを追加で投与。うち9人についてはPSAが50%以上減少したと報告されています。
前立腺がんの初期の治療として良い結果を残せたため、さらにLuPSMAの有用性を高めるためにランダム化試験を開始すると発表しています。LuPSMAと化学療法の比較、LuPSMAと標準治療の比較が行なわれるそうです。試験結果によっては、前立腺がんの治療に有効な一手が追加されることでしょう。
規模の大きな臨床試験が行われた結果、開発中の薬剤「ダロルタミド」は、非転移性去勢抵抗性前立腺がん患者に使用すると、他の部位へのがん細胞が転移するまでの時間を遅らせるために有効だと分かりました。また、前立腺がんの治療に利用される類似薬で起こるリスクが高い副作用の症状も見られないことも報告されています。
これまで、非転移性去勢抵抗性前立腺がんになると、効果的な治療は選べませんでした。例をがえると前立腺がんの治療は、体の中に存在するアンドロゲンを低い状態、もしくは検知できない状態に維持するためにアンドロゲン除去療法(ADT)が行なわれます。しかし、この治療を受けたとしてもがん細胞は増え続けてしまうため、根本的な解決には至りませんでした。
近年、前立腺がんの治療に適した新薬が米国食品医薬品局(FDA)に承認されましたが、これらの新薬に続き、ダロルタミドの効果に期待が寄せられています。
ARAMIS試験の中間解析によると、ダロルタミドの治療に関して副作用のリスクについては「プラセボ群とダロルタミド群とはほぼ同じ程度である」としました。
ダロルタミドはプラセボと比べて発作、骨折や転倒、認知機能への影響、高血圧といった副作用の影響が低いと発表されています。
NCIがん研究センターの前立腺がん臨床研究部門長のWilliam Dahut医学博士は、非転移性去勢抵抗性前立腺がんと診断された男性に対して行われたARAMIS試験に関して、「ダロルタミドの使用は薦めるに価するものであった」と述べています
臨床試験に参加していないDahut医師は「中枢神経系に対する副作用については、他の薬よりもリスクが低くなるのではと考えている」と、発言しています。
ダロルタミドは、アンドロゲン受容体阻害剤と言う種類の薬です。アンドロゲン受容体阻害剤に分類される薬は、体の中でアンドロゲンとアンドロゲン受容体が結合・競合することによって、アンドロゲンが関係する前立腺がん細胞の増殖を抑えます。
FDAは、非転移性去勢抵抗性前立腺がんと診断された男性に対してアパルタミド(アーリーダ)とエンザルタミド(イクスタンジ)の2種類の薬を承認しました。
承認に至った臨床試験で、2種類の薬剤は非転移性去勢抵抗性前立腺がんと診断された男性の腫瘍転移の確率を下げる、もしくは生存期間の平均値を伸ばすことが認められました。いずれの試験でも、プラセボ投与群と比べて転移せずに生存した期間を倍以上に延ばせました。アパルタミドの試験については40カ月:16カ月、エンザルタミドの試験では36.6カ月:14.7カ月です。
しかし、2つの薬を使用した治療を行うことにより、疲労、認知機能への影響といった中枢神経に関連する副作用が確認されました。グロルタミドには、これらの副作用の可能性が低いのではないかとされています。
ARAMIS試験とは、バイエル社、オリオンコーポレーション社(ダロルタミドの共同開発者)が出資して行なっている試験です。研究の対象者は、前立腺特異抗原(PSA)がこれまでの臨床試験をもとに、転移や死亡増加リスクの可能性がある男性を対象としました。
ARAMIS試験では、体の他の部位へ転移する可能性が高い非転移性去勢抵抗性前立腺がん患者1,500人以上が参加。患者に対しては、アンドロゲン除去療法だけではなくダロルタミドもしくはプラセボでの治療を行いました。 追跡での投与期間の平均値は17.9カ月であり、転移せずに生存した期間の平均はアンドロゲン除去療法群とダロルタミドでは40.4カ月でした。アンドロゲン除去療法群とプラセボでは18.4カ月です。研究チームからは「転移や様々な理由で死亡する可能性を59%減らし、リスクが低い患者のグループを含んだ全サブグループで有益性は一貫」としました。
ダロルタミドは、エンザルタミドやアパルタミドとは違う化学構造であることが特徴です。臨床試験の著者は、独特の科学構造であることが、ダロルタミドの副作用のリスクが低い理由であるとしています。Fizazi医師は「基本的にダロルタミドは血液脳関門を通らないが、エンザルタミドとアパルタミドは通過する」と述べています。しかし、血液脳関門とダロルタミドに関する内容は、ヒトではなく動物(げっ歯類)での研究結果であるとしています。
臨床試験で出されたデータのうち、中枢神経系に関わる副作用のリスクの低さは、げっ歯類で行った研究データと一致しています。Fizazi医師は「中枢神経系に到達した薬に関わりがあると考えられる副作用は、めまい、疲労感、発作、認知障害である」としています。
「ダロルタミドで治療を行った患者達とプラセボ治療の患者で、副作用の起こる確率について異なる部分はない」と伝えています。また、研究では、発作の症状が見られる患者が試験に加わっていたことも指摘しました。
発作については、グロルタミド治療の研究で唯一現れた副作用と述べらており、患者のうち10%以上で起こったと報告されています。
ダロルタミドもしくはプラセボについて、副作用が原因で服用をやめた 患者の割合は およそ9%でした。
治療による副作用の低さは、前立腺がんの症状が出ていない患者にとって非常に重要なことであるといえます。
進行中の転移性去勢抵抗性前立腺がん患者を対象に、グロルタミドとエンザルタミドを使った研究を行なっています。患者には先にどちらかの薬を服用してもらい、その後、もう一方の薬を服用してもらいます。この比較試験により、患者にどの薬が好まれるかを検証している段階です。
グロルタミドの開発を行なっているバイエル社とオリオン社は、現在FDAに新薬承認申請書を提出しています。今後は、前立腺がん患者自身が薬を選べるようになってくることでしょう。
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