今や国民の2人に1人が罹患するといわれているがん。その予防のためには、健康な生活を心がけることが欠かせません。最も身近なところでは、食生活でがんを予防することです。今回は、がん予防に効果があるといわれている、「わさび」を使ったレシピと、その機能をご紹介しましょう。
わさびの旬はいつなのか、疑問に思ったことはありませんか?実は、わさびは多年草でいつでも収穫できる植物です。
水がきれいな山間部では自生していることもありますが、栽培もされています。植えてから収穫に至るまでの期間が1年から2年と長いので生のわさびは高級品とされています。
いつでも収穫できるとは言いましたが、収穫時期によって味に違いがあります。晩秋から冬にかけて収穫されたわさびは鼻に抜けるわさび特有の辛味が強い傾向にあり、夏に収穫されたものはそれが少し弱いようです。
まず、わさびにはいくつか種類があります。「実生(みしょう)系」と「真妻(まずま)系」と呼ばれ、それぞれ収穫までにかかる日数が異なります。
実生系は1年から1.5年程度で収穫でき、真妻系は1.5年から2年程度かかるようです。真妻系は実生系と比較して、あまり大きくならないので確認したうえでこの見分け方を実践してください。
さて、良いわさびの見分け方ですが、3つのポイントを確認します。
1つ目は、色です。わさびの代名詞である鮮やかな緑色のものを選びましょう。発色の良い緑のわさびは風味が強いと言われています。
2つ目は、わさびの形です。わさびの種類によって違いますが、重くて形のキレイなわさびを選んでください。重いものはみずみずしく、風味、辛味が強いのが特徴です。
3つ目は、わさびの茎の跡の数です。これはわさびの育ち方に理由があります。わさびは水の流れる小川のようなところで育つものです。
わさびの上の部分に茎がありますが、これが落ちて下へ下へと根を張るように育つため、わさびの茎が落ちた跡が多ければ多いほど時間をかけて育った立派なわさびである可能性が高いといえます。
また、わさびは静岡県の有東木という地域で自然に生えていたものを栽培に使うようになったのが始まりといわれているようです。
わさびはすりおろし方によって風味や辛味が全然違ってきます。正しいすりおろし方を知らないと美味しくいただくことはできません。
まずすりおろしに使う部分ですが、上部の葉に近い方を使う方が新鮮でおいしいでしょう。これは、わさびが茎を落としながら成長していく植物であり、上部の方の細胞がより新しいためです。
とはいっても上部と下部で成分が大きく異なるわけではありません。下部の方は上部と比べ、食感がざらざらとして固めなのが特徴です。
おいしいすりおろしわさびを食べたければ、上部からすりおろすのが良いですが、わさびを何回にも分けてすりおろす場合は下部からすりおろしても問題ありません。好みに合わせて使い方を変えましょう。
さて、肝心のすりおろし方を紹介します。
まずはわさびをよく洗います。キレイな水で育っているわさびですが、土がついていることも。すりおろす前に丁寧に洗ってください。
次に、わさびの茎を手で剥きましょう。すべての茎をむしったら、次は包丁でごつごつした皮の部分をそぎ落とします。使う部分だけ皮が残らないようにそぎ落としてください。
すりおろす準備ができたら、おろし金に直角になるようにわさびを当て、「の」の字を書くようにすりおろします。この時、早すぎてはいけません。熱が生まれてわさびの成分が飛んでしまうといわれています。
すったわさびが円を描くようにできていれば完成です。
材料(1人分)
■ご飯200g ■わさび(小サイズ)半分~1本 ■かつお節適量 ■ダシ醤油(普通の醤油も可)少々
1.タワシで生わさび全体を洗います。その後、茎を全部むしってから、表面のゴツゴツした部分を包丁で削ぎ落とします。 2.わさびの茎側をおろし器に当てて、丸を描くように摩りおろして下さい。すりおろす際のポイントは力を入れ過ぎずにおろすことです。 3.ご飯を盛り付けて、かつお節をふりかけます。その上に生わさびを乗せて、醤油をかければ完成です。
材料(4人分)
■豚薄切り肉約50g■オクラ約100g■わさび(チューブ)大さじ1■麺つゆ(2倍濃縮)大さじ2■しょうゆ少量
1.豚薄切り肉は片栗粉をまぶして塩少々を入れたお湯で茹でて、ザルにあげ冷まします。
2.オクラは塩ゆでして斜め薄切りにしましょう。
3.ボウルに麺つゆとみわさびを入れて混ぜ、豚とオクラを入れて和えます。
4.3であえた食材を器に盛り、好みで上にきざみわさびを乗せる。
食べるときに味が薄ければ、醤油をかけて好みの味に調整しましょう。
材料(2人分)
■茹でダコ1パック■朝ツキ適量■玉ねぎドレッシング適量■本生わさび大さじ2-3
1.ゆでだこを厚めにスライスして、アサツキは小口切りにします。
2.本生わさびは専用のおろし器の「さめはだ」でなめらかにおろしましょう。
3.器にスライスしたゆでだこを並べ、玉ねぎドレッシングをかけます。その上に、アサツキを散らして、すりおろした本わさびも多めに添えて完成です。
材料(5~人分)
■わさび1本■塩麹大さじ3~4
1.わさびは3分の2くらいにすり下ろします。
2.残りの部分は細切りにしましょう。
3.塩麹とおろしわさび、細切りわさびをあわせます。
4・ラップを密着させるように落し蓋にして、冷蔵庫で1週間以上漬け込んで出来上がりです。
■アボカド1個■すりおろしわさび少量■醤油おおさじ1■チーズ30g
1.アボカドをダイス状にカットし、ボウルに入れます。
2.お好みでチーズをアボカドと同じ大きさにカットし、ボウルに入れます。
3.醤油とわさびを入れよく混ぜたら、ボウルに入れ、他の具材とよく混ぜます。
4.風味付けにかつおぶしやごま油を垂らしてもおいしいです。
■パスタ100g■サーモン1切れ■牛乳200cc■玉ねぎ1/4個■バター10g■小麦粉おおさじ1■コンソメ小さじ0.5■わさびこさじ1
1.玉ねぎをバターと一緒に炒め、サーモンを入れます。この時サーモンを崩して火が通るようにしましょう。
2.玉ねぎとサーモンに火が通ったら小麦粉をだまにならないように加えます。
3.小麦粉が絡んだら、牛乳を少しずつ入れます。
4.塩コショウとコンソメを加え味を調えたら、わさびを入れます。
5.少し固めにゆでたパスタを入れて良く絡めたら完成です。
■チキン100g■きのこ70g■醤油おおさじ2■わさびおおさじ2
1.チキンを食べやすいひとくち大に切ります。
2.きのこも食べやすい大きさに切ります。
3.油を引いたフライパンでチキンから炒め、火が通ったらきのこを加えます。
4.醤油で味付けをし、火を止めたらすりおろしわさびをいれて味をなじませて完成です。
わさびには、「6-メチルスルフィニルヘキシルイソチオシアネート」(6-MSITC)という成分が含まれていて、健康に対するさまざまな影響を与えています。
6-MSITCは、発がんや転移を抑制する働きがあるといわれています。マウスによる実験では、足にがん細胞を埋め込み、肺への転移を2週間観察したところ、6-MSITCを混ぜた餌を食べたマウスの転移がん数は大幅に少なく、76%の改善が見られました。
活性酸素は、遺伝子などを傷つけ、がんの発症にも関わりがあります。この活性酸素を抑制する力を抗酸化作用と呼びます。6-MSITCは、抗酸化作用を強化することもわかっています。ヒトでの実験では3ヶ月間本わさびエキスを摂取したところ、遺伝子のダメージを表す指標が44%抑制されたと報告されています。
わさびの解毒作用については、昔から経験則上知られていたといいます。そして、現代では科学的にわさび解毒作用が解明されました。6-MSITCが解毒代謝酵素の1つ、グルタチン-S-トランスフェラーゼ(GST)の活性を上昇させるのです。この作用は野菜の中でもわさびが最も強いといわれています。
わさびに含まれる6-MSITCは、認知機能の向上にも寄与しています。6-MSITCが含まれる製品を2ヶ月間摂取したところ、判断力や情報処理能力など認知機能が向上するとの実験があります。
おすすめのページ
RECOMMEND転移は原発がんから離れた場所に起こることもあります。早期発見のカギは?
がん治療の効果を高め、転移や再発予防も期待される今注目の最新成分とは?
痛みを緩和するには?費用はいくら?保険は適用?などの疑問に答えます。