内分泌療法(ホルモン療法)

ひまわり内分泌療法はホルモン療法ともいわれるがんの治療法です。薬物療法の1つとして分類されています。体内で分泌されるホルモンの影響を受けて憎悪(悪化)するがんに対して有効な治療法です。内分泌療法のポイントやメカニズム、副作用などについて分かりやすく解説します。

内分泌療法は全身療法の1つ

内分泌療法で行われるのは、薬剤の動脈内注射や内服です。放射線治療が難しいケースや放射線治療後に実施されることが多い傾向にあります。化学療法に比べて副作用が少ないため、QOL(生活の質)を改善しやすいのがメリット。また、化学療法の副作用を抑える効果を持つ薬剤もあるため、両者を併用するケースもあります。

内分泌療法の特徴と副作用について

内分泌療法(ホルモン療法)で主に使用されるのは、女性ホルモンのエストロゲンと男性ホルモンのアンドロゲンなどの働きを阻害する薬剤です。[注1][注2]

乳がん・子宮体がん・前立腺がんといったがんへの治療法が確立しています。その他のホルモンが関係するがんに対しては、研究が進められている段階です。

副作用は使用する薬剤により違いますが、比較的軽く一過性のものが多い特徴があります。稀に重度の副作用も現れるため、治療中に不安を感じたら必ず医師へ伝えましょう。

内分泌療法の副作用

副作用には、以下のようなものがあります。[注1][注3]

  • ほてりやのぼせ
  • 頭痛やめまい
  • 月経不順
  • 悪心や嘔吐
  • 関節痛
  • 抑うつ
  • 生殖器の機能低下
  • 睡眠障害
  • 視覚障害
  • 血圧の低下
  • 肝機能障害

重度の副作用として、エストロゲン受容体拮抗剤による心血管障害があります。そのため、高齢者への使用は危険視されているのが現状です。

また、長期使用による子宮内膜ポリープの発症例があるため、女性患者は婦人科の医師とも連携をとりながらの治療が必要です。

内分泌療法のメカニズムとは

静脈投与や服用した薬剤は、体内に入ると以下のような働きをします。[注2] 

  • ホルモンが分泌されないようにして枯渇させる
  • ホルモン受容体の機能を阻害する

がん細胞はホルモンと結合することで増殖しやすくなります。薬剤はホルモンの分泌を抑えたり、ホルモンを受け取る受容体の働きを阻害したりして、抗がん作用を発揮するのです。

内分泌療法のメリットとデメリット

内分泌療法のメリットは副作用が比較的軽いことです。また、全身療法のため、手術療法では難しいがんにも対応できます。

デメリットは時間がかかることです。副作用が穏やかということは、がんへの効果もゆっくりと現れます。また、長期間使用することで薬剤に対する耐性がつき、効果が弱まる可能性があります。[注2] 

がん転移に対する内分泌療法の効果

がんの恐ろしいポイントは、手術や放射線療法等で対処したとしても、違う場所に転移してしまう可能性があることです。転移したがん細胞を放置していると、別の場所でがんが大きくなって問題を引き起こしてしまいます。ここからは、がんの転移に対処する方法のひとつとして、がん転移に対する内分泌療法の有用性を押さえていきましょう。

転移したがんに対して内分泌療法を行う意味はあるのか

内分泌療法は、転移したがんへの対処法として利用されることの多い手段です。とはいっても、内分泌療法だけでがんの根治を目指すケースはほとんどありません。なぜなら、手術療法や放射線療法のように、がん細胞を一気に攻撃する力が内分泌療法にはないからです。内分泌療法は、がん細胞を直接攻撃するのではなく、がん細胞が増える際に使うホルモンを事前に抑えることでがんの進行を抑える方法。そのため、「転移したがんの進行を抑えるため」に手術療法や放射線療法、化学療法等と組み合わせて利用されています。

がんの問題点は、思ってもみなかった場所に転移する可能性があることです。もともとはまったく別の臓器にあったがんでも、がん細胞が血液やリンパを通って移動し、前立腺がんや乳がんになることも十分に考えられます。しかし、目に見えないほど小さく、どこにあるかもはっきりと分かっていない転移したがん細胞を見つけ出し、ピンポイントでがん細胞を攻撃するのは現実的ではありません。無理に対処をすればかえって体に負担をかけてしまい、放置すると前立腺がんや乳がんになるリスクがあります。こうした事情から、ホルモンと関係のないがんの手術療法を行った場合も、転移がんの進行を抑えるために内分泌療法を利用するのです。

前立腺がんと内分泌療法について

国立がん研究センター癌情報サービスと、前立腺がんの診療ガイドラインから、前立腺がんに対する内分泌療法の有用性を見ていきましょう。

前立腺がんが転移しやすい場所

前立腺がん(ぜんりつせんがん) ー 「12.転移・再発」より[注4]

前立腺がんが転移する場所

前立腺がんが転移しやすい場所は、以下の通りです。

  • リンパ節

割合としては、骨へ転移する割合が高くなります。腰などの骨が痛くて病院で検査を受けたところ、実は前立腺がんから骨転移を起こしていたというケースも少なくありません。

転移性の前立腺がんに対する内分泌療法の有用性

先ほど紹介した国立がん情報センターの資料でも、がん細胞の転移がある場合は内分泌療法を化学療法等と組み合わせて対処していくことが明記されています。[注4]また、「前立腺癌診療ガイドライン2016年版」では、内分泌療法と去勢術の併用と、去勢術のみを比べた場合、どちらのほうが優れているのかについて検証。その結果、転移性前立腺がんに対しては、去勢術だけを行うよりも去勢術と内分泌療法を組み合わせたほうが有用である可能性が高いと結論づけています。

ただし、内分泌療法は人やがんの種類によって有用な薬が違う上に、同じ薬を長く使っていると耐性がついてしまうのが問題です。状態に合わせて継続することが重要なので、多くの場合、体が慣れないように複数の薬を切り替えながら内分泌療法を継続していくことになります。

また、前立腺がんに対する内分泌療法の有用性については、まだまだ分かっていないことも多いです。がん転移に対する不安を解消したい場合は、なるべく新薬や最新論文に詳しい医師のいる病院を選びましょう。

乳がんと内分泌療法について

続いて、乳がんと内分泌療法について触れていきます。

乳がんが転移しやすい場所

国立がん研究センター癌情報サービスの資料から、乳がんの転移や転移性乳がんに対する内分泌療法の有用性を見ていきましょう。

乳がん(にゅうがん) - 「1.転移」より[注6]

前立腺がんが転移する場所

前立腺がんが転移しやすい場所は、以下の通りです。

  • リンパ節
  • 皮膚

また、肺や肝臓、脳といった重要な臓器へ転移する場合もあります。

転移性の乳がんに対する内分泌療法の有用性

転移性の乳がんに対しては、基本的に内分泌療法だけで対処することはありません。国立がん研究センターの資料でも、がんが転移した場合は「内分泌療法や化学療法等を組み合わせて進行を遅らせる」ことになっています。

ただ、転移していればすべてのケースで内分泌療法を使えるわけではないので注意が必要です。日本乳癌学会の「患者さんのための乳癌診療ガイドライン」によると、ホルモン受容体陰性(ホルモンの受容体が少ない)、またはすでに内蔵に転移してからすでに症状が出ている場合は、内分泌療法ではなく抗がん剤等を使った処置になります。[注7]内分泌療法を利用できるのは、

  • ホルモン受容体陽性(ホルモンの受容体を持っている)
  • 骨や軟骨組織にのみ転移している
  • 内蔵に転移しているが症状は出ていない

場合です。内分泌療法を利用できるかどうか、医師と相談して決めましょう。

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